今回は、看護師の給与が高いクリニック6選をお話しします。
クリニックは規模も診療科も様々で、選ぶ職場によって給与にかなり差がでてきます。
年収でいうと、おおよそ300万円から600万円くらいまでの幅があります。
今日はその中でも、年収500万円以上で働くことができるクリニックに的を絞って、仕事内容や給与が高い理由をお話しします。
ご紹介するクリニックのなかには、夜勤なしで年収500万円以上の職場もあるので、日勤のみで高収入を得たい場合にも参考になると思います。
また、クリニックを給与だけで選んでしまうと、
「想像以上に忙しくて辛い」
「仕事内容が自分には合わない」
など、転職してから後悔してしまうこともあるので、各職場のデメリットも解説していきます。
転職を考える際の参考になればうれしいです。
この記事の執筆者
ナース裕美(緒方裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務後独立。現在はキャリアアドバイザーとして活動中。
保有資格は「看護師免許」、「職業紹介責任者(番号:001-220124001-05302)」
『ナース裕美の看護師転職サイト早わかり解説』(Kindle)著者。
看護師としての視点から、転職に役立つ記事作成をしています。
当メディアは厚生労働省が規定している職業紹介責任者が監修しています。
看護師の給与が高いクリニック1)産婦人科クリニック
産婦人科クリニックは、探すと給与が高い職場がけっこう見つかります。
実際の求人を見てみると、日勤のみ日曜祝日休み週休2日制で年収500万円から550万円の職場や夜勤ありだと年収600万円を超える職場もあります。
産婦人科クリニックは、妊娠や出産に関わるため常に需要があることや、専門性が高く、高度な医療サービスを提供するクリニックも多いので、経営状態が良い施設が多く、看護師の給与も高く設定されている傾向があります。
産婦人科クリニックは、産科と婦人科の両方を診療しています。
お産にも携わるので入院施設があるクリニックがほとんどです。
なので、産婦人科の外来か、病棟か、勤務する場所によって看護師の業務内容も給与も変わってきます。
外来看護師の主な業務は医師の診療補助です。
産科の場合は、妊婦さんの腹囲や子宮底長を測ったり、モニタリング、採血を実施することもあります。
婦人科の場合は、検体採取補助や採血などを行います。
外来は日勤のみの勤務となるので、病棟に比べると給与は低めです。
ただ、プラベートとの両立がしやすい、というメリットがあります。
病棟看護師の主な業務は、入院している妊産褥婦さんの日常生活援助です。
産婦人科病棟で特徴的なのが、母体だけでなく新生児の看護も必要となることです。
また、出産以外の中絶・胎児死亡など悲しい場面に出会うこともあって、明るい面だけではないので、精神的にタフでないと務まらないです。
産婦人科では、看護師だけでなく助産師も一緒に働き、お産に関わるのは基本的には助産師です。
なので、看護師だけでなく、助産師資格を有している人は重宝され、給与に関しても、看護師資格のみ、よりも助産師資格も有していた方が高く設定されています。
また、病棟の場合は夜勤もあるので、より給与は高くなります。
産婦人科クリニックは給与も高い職場が多く、女性の一大イベントであるお産や新生児看護に興味がある看護師におすすめの職場です。
看護師の給与が高いクリニック2)有料老人ホーム併設クリニック
有料老人ホーム併設クリニックは、探すと給与が高い職場がけっこう見つかります。
実際の求人を見てみると、日勤のみで年収500万から550万円以上の職場もたくさんあります。
有料老人ホームは高齢者の心身の健康を保ち生活を安定させるための施設です。
食事・介護・家事・健康管理のうちいずれかのサービスを提供している住まいで、介護付きや住宅型など複数の形態があります。
高齢者を対象としているので、施設にクリニックを併設しているところもあって、入所者の持病を診療するほか、ケガや病気の診療・加療を行っていきます。
有料老人ホームには、様々な経営形態があり数が増えているからこそ、入居者の取り合いになっています。
小規模・中規模だと入居者が確保できず経営困難な施設もあるくらいです。
その中でもクリニックを併設している施設は大規模施設や経営状態が良い施設がほとんどなので、看護師の給与も高く設定されていることが多いです。
有料老人ホーム併設クリニックの看護師の主な業務は医師の診療補助です。
クリニックに来院する利用者さんを診察し、必要な対処を行っていきます。
重篤な場合は、すぐに大きい病院にいくので、クリニックで診察するのは軽症の場合のみとなります。
看護師の業務自体も難しいものはありませんので、ブランクがあってもなんとかなります。
ただ、様々な症状の方が受診するので、ある程度の看護師経験は必要です。
また、24時間対応しているクリニックの場合は夜勤もしくはオンコール当番が必要になります。
有料老人ホーム併設クリニックに必要な看護師人数は少数で、人気の職場、ということもあり、求人数が少なく、倍率は高めです。
穏やかな環境で仕事をしたい看護師におすすめの職場です。
看護師の給与が高いクリニック3)人工透析専門クリニック
人工透析専門クリニックは、給与が高い職場が多いです。
実際に求人を探すと、日勤のみで年収500万円以上の職場がたくさんあります。
人工透析専門クリニックはその名の通り、人工透析のみを行うクリニックです。
人工透析は患者さんによって週何回、何曜日に実施する、というシフトが決まっています。なので、毎日患者さんが来院します。
透析を必要とする患者さんは年々増加しているので、人工透析を専門とするクリニックが増加しているのもうなずけますね。
人工透析専門クリニックの給与が高い理由は、透析という治療の専門性が高いからです。
看護師の募集自体は未経験者でもOKとなっていることがほとんどですが、専門的な知識と技術を得ていくことが必要になります。
また、基本給だけでなく、各種手当が充実しているクリニックも多いので全体的に給与が高くなっていきます。
透析クリニックでの看護師の主な業務は、透析業務と患者さんの観察です。
クリニックによっては医師が穿刺をし、技師が透析機器の管理を行うので、看護師は患者さんの観察のみ、というところもあります。
透析導入期や透析によって異常をきたしやすいような患者さんは不測の事態に対応できる大規模病院で透析を受けることが多いです。
なので、透析クリニックに来院する患者さんは透析になれた方ばかりです。
患者さんによって細かい設定は変わってきますが、看護師の業務自体は基本的にはルーティンワークとなります。
透析はシフトが組まれているので、基本的には緊急で透析を行うことはありません。
なので、慌ただしい雰囲気もないですし、残業も少なめの職場が多いです。
オープンフロアで透析を実施するクリニックが多いので、人の目が気になることもありますが、全体的に明るい雰囲気であるところが多いです。
人工透析専門クリニックは給与が高めで、透析看護に興味があり、日勤のみで働きたい看護師におすすめの職場です。
看護師の給与が高いクリニック4)訪問診療クリニック
訪問診療クリニックの求人を探してみると、年収500万円以上の職場が多数あります。
訪問診療クリニックは、訪問看護ステーションとは違って、医師が患者さんのご自宅に訪問して診療を行います。
昨今、入院施設が限られていることや診療報酬の観点から在宅に移行する患者さんも多いので、在宅医療を受ける患者さんが増えています。
流れとしては入院治療を終了した後に、訪問診療を受ける、ということがほとんどです。
入院元から紹介される場合もありますし、患者さんが自らかかりつけ医を選ぶこともあります。
そんな訪問診療の需要は年々高まっているのに対して、供給が追い付いていないこともあって、訪問診療を行っているクリニックは経営状態が良い施設が多いです。
また、訪問診療クリニックは24時間対応している施設がほとんどで、夜間オンコール当番がある可能性が高いです。だからこそ給与が高く設定されている、とも考えられますね。
訪問診療クリニック看護師の主な業務は医師の診療補助です。
医師と共に訪問診療に同行して、必要な処置を施していきます。
また、処置をするだけでなく、患者さんやご家族と密にコミュニケーションをはかって、快適に自宅で療養できるようにしていくことも必要です。
なので、患者さん・ご家族と医療者との距離が近い、というのが特徴です。
そして、在宅治療を受ける患者さんの中には、病状が末期の方も多くいます。
自宅で看取る、という機会も多く、看護師としても辛い仕事になることがあります。
訪問診療や訪問看護、在宅医療に興味があり、利用者さんと深く関わっていきたい看護師におすすめの職場です。
看護師の給与が高いクリニック5)手術もしている眼科クリニック
手術もしている眼科クリニックは、給与が高い職場が多いです。
実際に求人を探すと、日勤のみで年収500万円の職場がたくさんあります。
眼科クリニックはどの町にもありますよね。
多くの人が「近所の眼科」で診察を受けると思います。
眼科では視力矯正の他に、アレルギーや白内障なども診察しています。
診察だけのクリニックもあれば、日帰りで白内障手術をしているクリニックもあります。
眼科クリニックの中では、手術に対応しているクリニックは看護師にも専門性が必要となるので給与が高い傾向があります。
一般眼科の場合の看護師の主な業務は医師の診療補助です。
患者さんに散瞳薬を点眼したり、診察の補助を行ったりします。
眼科の検査は専門の技師がいる施設も多いですが、人手が足りない施設では検査も看護師の業務の一つです。
そして、手術対応のクリニックの場合、この基本の業務の他に手術介助が必要になります。
術前の管理から、手術中の介助、術後の観察を行います。
手術手技は専門性の高い業務なので、手術室経験者は重宝されます。
このように、専門的な手技と経験値が必要となるので手術対応の眼科クリニックの看護師の給与は高く設定されているんですね。
そして、眼科クリニックは入院病床がなく日帰り手術なので、夜勤もないです。
また、眼科疾患は命に直接関わるものはないですし、患者さんも目以外は健康、みたいな人が多いので、明るく穏やかなクリニックが多くて、気負わずに働くことができます。
手術もしている眼科クリニックは手術に興味はあるけど大病院はちょっと、という人や、明るく穏やかな職場で働きたい看護師におすすめの職場です。
看護師の給与が高いクリニック6)経験値指定のクリニック
経験値指定のクリニックの求人は、給与が高い職場が多いです。
実際に求人を探すと、経験年数5年以上指定で年収550万円から600万円の職場や経験10年以上指定で年収600万円以上の職場もあります。
看護師は経験がものをいう仕事です。
新人では対応できない、ある程度経験がないと任せられない、経験がないと対処できない、ということもありますよね。
なので、即戦力を求めるクリニックは、求人票に「臨床経験何年以上」のように経験年数を指定して、給与も経験を考慮して高めに設定していることが多いです。
経験年数を指定する、ということはそれなりに難しい仕事がある可能性も高いです。
専門性が高かったり、経験値が必要な分野である、などなど。
そして、経験を積んでいる看護師は、元居た施設でもそれなりの給与を受け取っている可能性も高いので、クリニック側もそれなりの給与額を提示しないと応募者が集まらないという事情もあります。
このようなクリニックの採用選考では、経験年数をクリアしていても技術や知識が伴っていないと採用されないこともあるので、自分の経験がある診療科なのか、自分の経験が活かせる職場なのかをしっかり見極めて職場を選んでいくことが大切ですね。
看護師の給与が高いクリニック【まとめ】
クリニックはそれぞれ専門性も異なりますし、働き方も様々なので、給与の幅が大きいです。
そして、クリニックの求人はとても数が多いです。
なので、給与を重視するのであれば、今回お話ししたようなクリニックのホームページをチェックしたり、転職サイトで希望年収を500万円以上に指定して求人を探すなど、ある程度条件で絞りながら転職先を探していくとよいです。
また、給与だけにこだわると、大切なことを見落としてしまうこともあります。
給与だけでなく、希望の働き方ができるのか、希望の業務内容なのか、など総合的に判断して転職先を決めていくことが大切です。
転職をする際には、しっかり条件を比較して職場を選んでくださいね。
あなたの転職が満足いくものになるように願っています。
執筆者情報:ナース裕美の転職研究所
ナース裕美(緒方裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務。現在はキャリアアドバイザーとして活動中。
保有資格は「看護師免許」、「職業紹介責任者(番号:001-220124001-05302)」
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