ナース裕美です。
看護師が年収を上げるにはどうしたらいい??
長く働いているのになかなか年収が上がらない。。
もっと給与がほしい。。
そんな悩みにお答えします。
看護師の平均年収は、4,986,200円です。
(厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査より平均年齢41.2歳、平均月給344,300円、平均賞与854,600円で計算)
(参照リンク:令和3年賃金構造基本統計調査)
あなたの年収は平均年収と比べて高いですか?
それとも低いですか?
今の仕事に満足していても、そうでなくても、今の年収を少し上げたいと考えている人も多いのではないしょうか。
そこで、今回は年収をもっと上げる方法を考えていきたいと思います。
年収を上げるには、以下の方法があります。
1、副業をする
2、転職する
あなたの今の働き方や職場の就業規則に合わせて、ベストなものを選んでチャレンジしてみてくださいね。
この記事は看護師の私が看護師が年収を上げる方法をご説明します。
あなたの看護師生活の一助になれば幸いです。
この記事の執筆者
ナース裕美(緒方裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務後独立。現在はキャリアアドバイザーとして活動中。
保有資格は「看護師免許」、「職業紹介責任者(番号:001-220124001-05302)」
『ナース裕美の看護師転職サイト早わかり解説』(Kindle)著者。
看護師としての視点から、転職に役立つ記事作成をしています。
当メディアは厚生労働省が規定している職業紹介責任者が監修しています。
看護師が年収を上げる方法1)副業をする
看護師が年収を上げる方法その1は、「副業をする」です。
副業の選択肢としては、
「ツアーナースやイベントナース」
「検診バイトなどの単発バイト」
「コールセンター」
などがあり、派遣会社に登録しておいて、予定の合う日に仕事を入れる働き方が可能となります。
本業が休みの日に無理のない範囲で収入を得ることができますね。
私もツアーナースのバイトをしていましたが、1回のツアー3日間泊まりで給与は36,000円(食事無料)でした。
普段と違う仕事ができるので、気分転換にはなりますが、休みなく次の日から仕事(本業)だったので、体力的に大変でした。
なので、副業は頑張りすぎて体調を崩さないように気をつける必要があります。
では、おすすめの副業の種類と、その概要、求人の探し方をご説明します。
副業1)ツアーナース
ツアーナースとは旅行や課外活動に同行して健康管理を行う仕事で、小中学校、高校の課外活動(修学旅行、林間学校など)に同行します。
時には日程が長かったり、海外に行くこともあり、社会人の研修旅行に付き添うこともあります。
ツアーナースの仕事は単発のものが多く、ツアーナース求人を扱っている看護師専門の転職サイトに登録して仕事を探すのが一般的です。
旅行会社などと契約して専属のツアーナースとして働く人もいますが、こちらはかなり狭き門だと言えます。
ツアーナースの求人は、小中学校の宿泊行事が多い5~6月、9~11月、長期休み期間に集中しています。
また、ツアーナースは人気求人のため、募集後すぐに埋まってしまうことも多いと言えます。 なので、定期的に転職サイトで求人をチェックする必要があります。
ツアーナースの看護師の仕事内容
ツアーナースの仕事で1番多いのは小学校行事への同行です。
養護教諭と連携することもありますし、養護教諭の代わりに同行することもあります。
小児科経験があると役立つと言えます。
それでは、具体的なツアーナースの仕事内容をご説明していきます。
生徒の健康管理
車酔いや突然の体調不良に対応します。
出発前に車に酔いやすい人はいるのか?
今日の体調は?
など、ある程度生徒の情報を確かめておく必要があります。
急な発熱や体調不良の場合は、休憩だけでいいのか、病院へ受診するのかを教師と相談し、受診する場合は付き添います。
薬の管理
対象が小学生の場合、持参薬の管理は看護師が行います。
毎食後に子どもたちに薬を手渡し、内服を確認します。
また、アレルギーがある人の緊急薬を預かり、アレルギー発症時に対応できるようにします。
怪我の処置
旅程では常に最低限の救急セットを持ち歩きます。
擦り傷、切り傷などはその場で対応します。
物品の管理
救急セットや処置セットは看護師管理となります。
何をどれだけ使用したかをチェックし、学校に引き継ぎます。
イベントへの参加
基本的に旅程にはすべて参加します。
その他イベントにもできる限り参加し、教師・生徒とのコミュニケーションを図ります。
ツアーナースのメリット
旅行に行ける
旅費を出さずに旅行に行けて、お給料まで貰えます。
体験談 小学校の箱根研修に付き添った時は、バスで移動、3食ありで、小学生と大人は別メニューで美味しい料理でした。
旅行中はなにもお金を使っていません。
ツアードクターが同行している場合もある
ツアーナースのみの場合もありますが、まれにドクターも同行することがあります。
判断を自分だけで行う必要がなく、相談できるため精神的に楽です。
自分の予定に合わせて仕事を入れられる
ツアーナースは基本的に単発派遣になります。
そのため、自分の予定に合わせて仕事を入れることが可能です。
家事・育児との両立、次の仕事までのつなぎ、他の仕事とのWワークとして調節ができます。
ツアーナースのデメリット
旅行に行けるが楽しめない
確かに旅行には行けますが、旅程に参加しながらも常に観察、アセスメントを行う必要がありますので、手放しで旅行を楽しむことはできません。
自由時間はほぼない
同行者と同じ旅程で動きます。
子どもたちの消灯後に教師とともにミーティングに参加するため、ほぼ自由時間はありません。
いつ呼び出しがあるかわからないので、お風呂にもゆっくり入れません。
給与は平均より低め
ツアーナースの平均日給は12,000円~15,000円が相場です。
状況によっては24時間体制で業務を行うため、時給換算すると最低賃金を下回ることもあります。
副業2)イベントナース
イベントナースとは文字通り、音楽やスポーツなどのイベント会場に出向き、突発的なけが人や病気の看護を行う仕事です。
イベントナースは音楽コンサートやスポーツ大会、お祭りなど多様なイベントで必要とされ、場所も屋内に限らず、野外ステージ、海辺など多岐にわたります。
また、平日より週末・祝日、長期休暇中に求人が集中します。
イベントナースの仕事は常時あるわけではありません。 季節や時期によって求人にばらつきがあり、人気求人のため、募集後すぐに埋まってしまうことも多いと言えます。
イベントナースの仕事内容
お祭りや音楽イベント、スポーツイベントなど多くの人が集まるイベントでは臨時の救護所や医務室が設置されます。
イベントナースはそこで待機し業務にあたります。
それでは、具体的なイベントナースの仕事内容をご説明していきます。
応急処置
怪我人や体調不良を起こした人に対しての応急処置を行います。
簡単な処置を行い、必要時休憩スペースにて休んで頂きます。
病院受診の案内
応急処置は行いますが、病院受診が必要そうな人にはどの科を受診するのか、などのアドバイスを行います。
緊急搬送の要請
応急処置ではまかなえない、病院を自分で受診すると処置が遅れてしまう、というような緊急対応が必要そうな人には緊急車両出動を要請します。
イベントナースのメリット
拘束時間が短い
拘束時間は基本的にイベントの期間のみとなります。
一日のイベントならば当日のみ。2-3日の場合はその期間のみとなります。
自分の予定に合わせて仕事を入れられる
基本的には単発の仕事になりますので自分の都合の良い日に働くことができます。
そのため、Wワークとして働いたり、家庭・育児と両立しやすいといえます。
精神的ストレスが少ない
単発の仕事であるため、人間関係のしがらみはありません。 また、毎回違うイベント会場が勤務先となるため、毎回新鮮な気持ちで仕事に臨むことができます。
人脈・視野が広がる
普段は見ることができないイベントの裏側を知ることができます。
また、医療業界以外の人たちとも交流できるため、視野や人脈がぐんと広がります。
イベントナースのデメリット
給与は低め
病院勤務に比べると給与は低めです。
イベントの内容や拘束時間、場所によって給与は異なります。
日給1万円程度が一般的です。(1万2千円〜1万4千円ほどが多いです。) 拘束時間が長くなれば、それだけ報酬も上がります。
また、契約している会社によっても変わってきます。
何が起こるかわからない
イベント中は熱中症や転倒による怪我など、何が起こるかわかりません。
また、病院と違って限られた資材・薬剤で処置を行う必要があるため、臨機応変な対応が求められます。
そのため、ある程度臨床での経験や知識がないとつとまりません。
責任が重い
イベント会場には医師が常駐していないことが多いです。
また、イベントナース自体も一人〜少人数での対応となります。
季節や天気によって沢山の救護が必要となる場合があります。
そんな中で緊急性の有無を判断する必要があるため、緊張感が漂います。
副業3)健診バイト
健診センターは健康診断や人間ドックを行う場所で、自分の健康状態を知るためだけではなく、病気の早期発見、早期治療のための施設であるため、受診するのは基本的に健康な人が中心です。
健診センターの看護師の仕事内容
採血
健診センターと採血は切り離して考えられません。
日に100人以上の採血を行うことはもはや当たり前となります。
検査の実施や診察介助
身長や体重測定、聴力検査、視力検査、採血、バイタルサイン測定などの検査を行います。
また、乳がん検診や子宮がん検診、内視鏡検査の診察介助を行います。
巡回健診
健診自体は施設健診と同様となります。
しかし、巡回場所での機材の搬入、設営などを行う必要があります。
健診場所が遠方であるほど早朝に出発することになります。
健診センターの看護師のメリットデメリット
平日、日勤のみ
基本的には日勤のみで夜勤はありません。
そのため、生活リズムが崩れることもなく、家族・パートナーとも時間を合わせやすくなります。
また、休日もほぼカレンダー通りに取れるところが多いようです。
残業はほぼない
基本的には残業はありません。
しかし、健診センターには繁忙期があり、新入社員が入社する3-6月と、学校の健診が重なる4-6月は受診する人が多いため、残業が必要になることもあります。
ストレスが少ない
対象が健康な人であるため、病気に対する不安やストレスを抱えている人は少ないです。
そのため冷静な判断・受け答えをしてくれるため、看護師としてもストレスを感じることなく働くことができます。
健診センターの看護師のデメリット
出張がある
健診センターでは施設健診と巡回健診がある施設があります。
巡回健診の場合は巡回車、飛行機、船などで出張が必要になります。
また、準備・片付けもあるため早朝出勤や残業、宿泊が必要になることもあります。
出張や宿泊が難しい人は、希望する健診センターが巡回健診を行っているかどうかをしっかり確認することが必要です。
給与は低め
基本的に日勤のみで残業もほぼありません。
そのため、給与は低めといえます。
しかし、巡回健診の担当となると、大変な分給与は高くなります。
臨床スキルを身につけることができない
健診センターで必要な看護技術は、採血や血圧測定などの本当に基本的なものになります。
そのため、看護師としてスキルアップしたいという人には向きません。
クレームが来ることがある
健診センターはほとんど健康な人を対象としているため、患者さんというよりお客様です。
そのため、対応に不備があるとすぐにクレームが来ることがあります。
施設によってはマナー、サービスに対する講習を行っているところもあります。
副業4)コールセンター
一般的にコールセンターとは、一般のお客様からの問い合わせに対応する、「企業の窓口」のような存在です。
コールセンターの主な仕事は、お客様から寄せられる質問に対応することです。
基本的にはマニュアルを覚えて応対するケースが多く、特別なスキルは必要ないといえますが、保険会社や製薬会社などの場合は特に、健康や病気、医薬品など、医療に関する質問に答えられるスキルが必要です。
医療系製薬業界、医療機器製造業界、保険業界、その他の医療関係業界では看護師としての知識・経験を持つ人を求めており、そこでは看護師としての知識・経験を活かすことができます。
これらの業界のコールセンターではサービス向上という目的だけでなく、お客様から寄せられた薬品や医療機器に関する疑問、また健康や病気に関する不安に回答・助言をする必要があります。
看護師としての医療・看護の知識を持っていることや、実際に医療現場で培ったノウハウが重要なスキルとなるため、ある程度経験のある看護師が採用されやすいと言えます。
コールセンター看護師の仕事内容
ヘルスケア
医療コールセンターでは健康や病気に関する質問へ応対します。
「子供が吸殻を食べてしまった」などの緊急事態への対応もあります。
また、健康相談のコールセンターでは、
「セカンドオピニオンはどうすればいいか」
「医療費の補助制度について知りたい」
などの医療・福祉に関する問い合わせへの応対をします。
高齢者向け介護施設など
高齢者からの緊急の電話に応対したり、健康相談を受けたりします。
介護施設などの各種施設では看護や介護の悩みについても応対します。
製薬会社
薬の飲み方、薬の飲み合わせなどの薬に関することから、健康や病気についての相談も受けます。
薬に関しては飲み方を間違えると重大な副作用が生じる可能性もあるため慎重かつ確実な返答が必要となります。
保険会社
生命保険の契約者特典として設置された相談窓口となります。
生命保険の契約についての相談ではなく、健康や病気に関する相談や育児相談などを受けます。
医療機器
医療機器メーカーの自社製品についての問い合わせ窓口となります。
自宅で医療機器を扱う患者を支える業務がほとんどです。
医療機器の操作方法や医療機器を使用する患者の疾患についての聞き取りを行います。
企業のコールセンター
セコムや大阪ガス、東京海上日動などが24時間対応の健康相談のサービスを行っています。
健康・医療・介護・育児など幅広い相談を受け付けています。
コールセンター看護師の研修内容
コールセンター看護師は仕事を始める前に、コールセンターの役割やサービスの内容についての研修を受けます。
その他、個人情報保護研修、健康相談基礎研修、メンタルヘルス相談研修など、コールセンターのオペレーター業務の基本的なことを研修にて習得します。 その研修の内容をご説明します。
発声練習
コールセンターではお客様と電話口だけでのやり取りとなるため、聞き取りやすい声というのはとても大切となります。
研修では適切な声の大きさやトーン、声の出し方を学びます。
また、適切な相槌のうち方や会話での間の取り方なども学びます。
トークスクリプト
トークスクリプトとは、お客様と会話をする時の台本のようなものです。
基本的にはどこのコールセンターでもこのスクリプトに沿って対応できるようになっています。
お客様の相談内容によってスクリプトを素早く使えることは、仕事をスムーズに進めることにもなります。
敬語
コールセンターは対面ではなく電話口の言葉だけの対応になりますので、正しい敬語の使い方は重要となります。
また、できれば標準語を使いこなせるほうがいいと言われています。
敬語の他にも看護師として正しい医療用語を使用できる、ということも大切です。
クレーム対応
クレームが発生した時の対応の方法、クレームの発生につながりやすいNGの言葉について学びます。
基本的にはクレームの電話や話の途中でクレームが発生した場合は、センターの上司につなげることになっていることが多いです。
その他
指導社員を交えたロールプレイングで研修内容を実践し、応対のスキルを磨きます。
コールセンター看護師のメリット
身体的負担が軽い
コールセンターでの仕事は基本デスクワークです。
また、勤務時間も一日平均3時間、週に2~3日程度の会社が多いです。
そのため臨床に比べて身体的疲労は確実に軽いと言えます。
幅広く新しい知識を得ることができる
コールセンターには様々な疑問が寄せられます。 それらに応えるためには、臨床で経験した科目だけでなく、幅広い診療科の疾患や治療内容、医薬品の知識をはじめとして、健康食品に関する知識、介護・福祉に関する知識、医療費・セカンドオピニオンについての知識など、学ばなければならない項目は多岐にわたります。
さらにそれらの情報は常に最新のものにアップデートする必要がありますので、日々が学習となります。
アルバイトとしてダブルワークできる
多くのコールセンターは平日や休日、昼夜や夜間問わず勤務があります。
そのため、休日を使ってのアルバイトとして行うことも可能です。
ただし、勤務先によってはダブルワークを禁止しているところもあるため確認が必要です。
コールセンター看護師のデメリット
プレッシャーがある
様々な問い合わせに電話口だけで判断を下すことになります。
身体的異常に関する問い合わせや、医薬品・医療機器に関する疑問などは一歩間違えれば命に関わります。
それを電話口で得られる情報だけで判断をすることは大変困難です。
また、伝えた後の相手の状況が分からないからこその難しさがあり、かなりのプレッシャーを感じてしまう可能性があります。
精神的疲労を感じる
コールセンターには様々な問い合わせの他に、けんか腰でクレームや怒りをぶつけられたり、寂しいからと延々と話を聞くことになったりということもありますが、関係のないクレームだからと聞き流すことはできません。
小さなクレームが企業をゆるがす大問題に発展することもあります。
軽い症状だと思っていたら深刻な状態で、結果的に命に関わる状態になってしまうこともあります。
一つ一つの電話に対し、常に的確な応対、助言をしなければならないことが精神的ストレスになることもあります。
一般的な看護技術の向上はできない
当たり前のことですが臨床ではないため看護技術を提供する機会はありません。
そのため、医療知識が増えることがあっても基本的な看護技術が鈍ってしまうことがあります。
夜勤がある
コールセンターには24時間サービスを提供しているところも多くあります。
職場にもよりますが、ある程度の夜勤を担当する可能性は高いと言えます。その分給与はアップします。
派遣の求人を探すには
派遣看護師専門の転職サイトで求人をできるだけ集めてから、職場を探していきましょう。
看護師専門の転職サイトは一般には公開されていない、条件の良い非公開求人もありますので、必ずチェックしておきたいところです。
また、転職サイトも様々なものがありますので、選ぶ際は求人数が多いこと、利用者満足度が高いことを確認して失敗のないようにしてくださいね。
転職サイト選びが転職成功の鍵をにぎっています。
ここでは、求人数が業界トップで利用者満足度が高い転職サイトをご紹介しますので、参考にしてくださいね。
最後まで無料で利用できます。
レバウェル看護(旧 看護のお仕事)派遣
・看護師のための人材派遣サービス
・派遣を無理に勧めない方針
・有給休暇が取れる等の安心の雇用体制
・時給2500円の『高時給求人』や勤務先が保育園等のレアな求人も保有
・コンサルタントの丁寧な対応 ・医療機関に足を運び内部情報を集めている
・利用者の人生を一番に考える方針
MC─ナースネット
MC─ナースネット・求人数2万件以上
・利用者満足度95%以上
・会員数18万人越え
・常勤だけでなく、ツアーナースや健診、夜勤専従、企業、保育園などの求人あり
・ライフスタイルにあった働き方
看護師が年収を上げる方法2)転職をする
本業が忙しいなか、副業や在宅ワークとの両立は、体力的にも時間的にも、現実的ではないという人も多いことでしょう。
看護師が年収を上げるには、本業の年収を上げるのが1番現実的と言えます。
ただし、しっかり求人を吟味して転職を決めないと、求人情報に記載されている給与が貰えなかったり、年収が上がっても激務だったり、転職には思わぬ落とし穴が潜んでいます。
ここでは、年収が高い転職先をご説明します。
年収が高い転職先1)大学病院(私立)
大学病院で夜勤がある診療科は、基本給と夜勤手当で収入は高いと言えます。
私が勤めていた私立の大学病院(夜勤あり)を例にすると、20代では年収500万代、30代前半では600万代後半でした。
選ぶ大学病院によって多少の差はありますが、給与は高い傾向があります。
また、研修制度が充実しているため、中途採用で入職しても安心して働くことができると言えます。
大学病院(私立)の看護師の求人数は限られていますが、給与が高いだけでなく福利厚生も充実しています。
安定的に高収入を得たい方、最新の技術・知識を身につけたい方におすすめの転職先となります。
大学病院(私立)の看護師の特徴
・診療科が多い
大学病院は、主に医療に関する教育を行っている場所でもあります。
そのため、診療科が細かく分かれており、各診療科が専門的な診療を実施しています。
看護師の業務も、診療科が異なれば仕事の仕方も大きく変わります。
・専門性を高めることができる
大学病院では、医療行為だけに集中して取り組むのではなく、研究や学生の教育に携わる機会も少なくありません。
自分のスキルアップ、専門性を高める、先端医療を学ぶことを目的にしている人には最適な環境となります。
・最新の技術・知識を得られる
大学病院は先端医療に積極的なため、設備なども常に最新の状態に更新されており、最新の技術・知識を得ることができると言えます。
そのため、勉強会や研修会が多いのも特徴です。
大学病院の看護師のメリット
・知識が身につく
前述の通り大学病院は教育機関でもあるため、定期的に勉強会や研修会、発表の場があります。
また、新人研修や中途採用に対しての研修も充実しています。
実際の現場では、プリセプターやコーチがつくため、日々の業務の指導もしっかりしてもらえます。
技術や知識で不安なことを質問できる体制が整っているため、安心して働くことができます。
・最新の医療を臨床で行える
大学病院は知見や最新の医療を積極的に実施しています。
また、入院患者さん自体も重篤であったり、原因不明の難病を抱えているという方が多くいます。
常に新しい医療や看護に触れることができると言えます。 治療法が確立していない患者さんを看護する必要もあるため、日々プレッシャーと戦うことにはなりますが、必ず今後役に立つものになります。
・看護体制が整っている
大学病院では各部署の勤務体制や残業時間を把握し改善する部署や、職員カウンセリング、定期的な個人面談が設置されており、職員の負担が少なくなるよう日々労働環境が改善されています。
・転科ができる
大学病院の中では、現在の部署で働きづらくなっても、すぐに転職!となるのではなく転科や外来への異動という選択肢があります。
退職して一から新しい環境で働くよりも、システムや勤務形態を把握している職場で働く方が体力的にも精神的にも楽と言えます。
・転職に強い、有利に働く
大学病院である程度の勤務経験があると、転職先で評価されます。
一般の病院では、大学病院を退職した看護師を好待遇で働いてもらおうとするところもあるため、ある程度の土台がしっかりしていれば、復職や転職に有利に働くといえます。
・指導力が養われる
大学病院は医療機関であり教育機関でもあります。
そのため、看護師経験3年目以上となるとプリセプターとなり、その後リーダー、コーチ、学生担当というように他者へ指導することが多くなります。
新人や学生の指導を自分の仕事の合間に行うようになるため非常に忙しくはありますが、各々に合わせた指導方法を模索していくことで他者への指導スキルが上がります。
また、指導を行うことで自分自身の復習や新たな発見につながっていきます。
・保育所が併設されている病院が多い
福利厚生が充実していることもあり、子育てにも理解があります。 保育所が併設されている病院が多く、子育てとの両立がしやすい環境と言えます。
大学病院の看護師のデメリット
・離職率が高い
大学病院は労働環境が整っていると言われますが、実際は日々の勉強や定期的な研修会などでプライベートな時間を確保できなかったりすることで、離職率が高いのも特徴です。
中堅看護師が育つ前に離職してしまうことが多く、経験が浅い看護師とリーダーができる経験豊富な看護師で二極化してしまう傾向にあります。
そうするとその二極の実力差・意識の差でさらに人間関係にひずみがでてしまう、という悪循環に陥りやすいと言えます。
・専門性が偏ってしまう
大学病院では患者の疾患別に部署が細分化されているため、疾患に応じた処置内容や知識が偏ってしまいます。 採血や点滴があるのが珍しい部署もあれば、山ほどあり目が回りそうになる部署もあります。
まんべんなく知識・技術を磨いていくために数年ごとに部署異動を希望するなどの必要があります。
・経験年数を重ねるほど責任重大
大学病院では勤務年数に応じて重症患者の受け持ちやリーダー業務、委員会や勉強会の調整、新人教育など、責任の重い仕事を任されるようになっていきます。
また、看護学生の実習指導も行います。
それが精神的に負担になることも多いといえます。
・委員会活動が忙しい
大学病院ではリスク、感染、防災、サマリーなど様々な委員会があります。 部署内でも、それぞれの委員会に準じた係活動が行われます。
各々がどれか一つの委員会・係に所属する必要があります。 勤務時間外での委員会活動・係活動を行うことになりますので、プライベートの時間を削る必要がでてきてしまい、精神的な負担となります。
大学病院(私立)の求人を探すには
転職サイトでできるだけ多くの求人を集めてから職場を探していきましょう。
転職サイトも様々なものがありますので、選ぶ際は求人数が多いこと、利用者満足度が高いことを確認して失敗のないようにしてくださいね。
転職サイト選びが転職成功の鍵をにぎっています。
看護師転職サイトをランキングにした以下の記事を参考にしてください。
年収が高い転職先2)産業看護師
看護師の資格を活かして病院以外の一般企業で産業看護師として働くことができます。
産業看護師の求人数は少なく採用倍率も高いですが、勤務先は大手企業が多いため、給与は高い傾向があります。
また、夜勤もなしで、病棟のバタバタ感もないため、人気の職種になります。
産業看護師の仕事内容
・社員の健康管理
医務室や健康管理部署で産業医の指示のもと、社員の健康管理や事務を行います。
・健康診断、ストレスチェックの実施管理とフィードバック
実際に実施するのは委託業者になります。 それについての準備(事務)や社員へのフィードバックを行います。
・保健指導や健康相談
社員に対して保健指導をしたり、健康相談を受け付けます。
・労働環境整備(健康面)
社内の健康面の労働環境を整備します。
長時間労働を抑制したり、ワーク・ライフ・バランスを実現する取り組みなど、社員が健康的に業務を行えるように、様々な取り組みを実施します。
・急病やケガの処置
急病やケガをした社員の応急処置をして、医療機関へつなぐこともあります。
産業看護師のメリット
・給与が高い
採用される企業にもよりますが、比較的給与は高い傾向があります。
・残業が少ない
突発的な対応もなく、ペース配分ができる事務仕事がメインなので、残業は少ない傾向があります。
産業看護師のデメリット
・求人数が少ない
産業看護師は必要とされる数が少なく、人気の職種で退職者も少ないため、求人数は少ないでしょう。
採用されるには、タイミングとしっかりとした履歴書作成、面接対策が必要です。
採用のハードルは高いと言えます。
・病院に再就職しづらい
長く産業看護師をしていると、医療の技術は衰えます。
病院への再就職がしづらくなります。
産業看護師の求人を探すには
産業看護師の求人は少なく、目指す人が多いため人気の職種になります。
また、大手の看護師転職サイトでもなかなか求人は見つかりません。
非公開求人として扱われている場合が多いので、企業の求人を扱っている転職サイトに登録して、情報を集める必要があります。
採用倍率がかなり高いので、何社も応募してチャレンジしてみると良いです。
企業の求人に強い看護師転職サイトは以下の記事を参考にしてください。
年収が高い転職先3)美容クリニック
美容クリニックは施術メニュー契約や化粧品などの売り上げ目標があり、達成すると上乗せして手当てがもらえたり、お客さんからの指名数や口コミで評価が上がると、給与が上がるクリニックが多く、収入は高い傾向があります。
売り上げをがっつり上げて年収1000万円近く稼ぐ看護師もいますので、夢があります。
美容クリニックは大きく美容整形外科と美容皮膚科に分かれます。
それぞれご説明します。
美容整形外科の仕事内容
・手術の介助
美容整形外科では、主に外科手術を行いますので、看護師の主な役割は手術の介助です。
手術内容は二重、鼻を高くする隆鼻術、フェイスリフト、脂肪吸引、乳房形成、あざを消す手術などとなります。
・手術前後のアセスメント
手術の準備や術前術後のアセスメントやケアも行います。
美容皮膚科の仕事内容
・施術を行う
主に美白やアンチエイジング、脱毛の施術を行います。
メスは使わずレーザーや注射を使用します。 また、しみ・シワ・ニキビ等を取り除く施術、肌の潤いアップや疲労回復に効果的な高濃度ビタミンC・プラセンタ等の点滴・注射も行います。
・ダイエットサポートや美容のアドバイスを行う
施術だけではなく、お客さんの美容をトータルでサポートするので、ダイエットサポートや美容アドバイスを行います。
美容皮膚科では、処置が複数回になるため、特定のお客さんと長い間接することが多くなります。
美容クリニック看護師のメリット
・夜勤、残業がない
予約制を取っているクリニックがほとんどなので、残業はほぼないクリニックが多いです。
・給与が高い
年収は500万~600万前後と高めのクリニックが多いです。
・売り上げなど評価が上がるとインセンティブが入る
施術メニュー契約や化粧品などの売り上げ目標があり、達成すると上乗せして手当てがもらえたり、お客さんからの指名数や口コミで評価が上がると、給与が上がるクリニックが多いです。
売り上げをがっつり上げて年収1000万円近く稼ぐ看護師もいますので、頑張っておもいっきり稼ぎたい人には、美容クリニックは天職です。
・美容の知識がつく
美容の知識がどんどん増えて、自分にも活かせるのはうれしい点です。
そして自分の美しさに磨きがかかれば接客にも活かせます。
・割引で最新の施術を受けられる
最新の施術を自分自身で割引価格で試すことかできます。
・病気の患者さんと接する必要がない
お客さんは健康な方ばかりなので、病気の患者さんと接することはありません。
・キレイでおしゃれな職場で働ける
ほとんどの美容クリニックは駅からアクセスがよい都心にあります。 そしてどこのクリニックもおしゃれです。
美容クリニック看護師のデメリット
・土日祝日出勤がある
ほとんどのクリニックが土日営業をしているため、土日祝日出勤があります。
・仕事中は忙しい
仕事中はお客さんへのサービスを第一に動くため、忙しい傾向があります。
・接客が苦手な人には厳しい
技術とともに接客能力が求められます。
お客さんに気に入られなければ評価が下がってしまいますので、接客にはかなり気を使います。
・クレームを受けないように細心の注意を払う必要がある
お客さんが施術の結果や接客が気に入らないとクレームをつけることがあります。
何度もクレームをもらったりすると、給与に影響がでてくることもあります。
・病棟に再就職しづらくなる
美容クリニックで長く働くと、病棟の仕事に対応する技術は確実に落ちます。
病棟に再就職はしづらくなるでしょう。
・自分の肌の状態など、自分自身の美容について気をつかう必要がある
自分の肌の調子などが悪いと、お客さんへの説明やアドバイスに説得力がなくなるため、自分自身の美容について相当気をつかいます。
・ノルマがあると苦しい
施術や美容グッズのノルマがあるクリニックは、お客さんへおすすめするのが苦手な人は苦しいと言えます。
・採用内定倍率が高い
美容クリニックは人気のある仕事なため、採用内定倍率が高いことが言えます。
美容クリニックの求人を探すには
美容クリニックの求人をあつかっている転職サイトに登録して、情報を集めます。
採用倍率が高いので、複数応募してチャレンジする必要が出てくると思います。
あなたと相性のよいクリニックを探しあててくださいね。
看護師の給料が高い理由
ここでは、看護師の給料が高い理由もご説明します。
夜勤手当
看護師の給与を上げる一番の理由は「夜勤」です。 夜勤があるのとないのとでは全然給与が違います。
夜勤手当は施設によって異なりますが、大体1回の夜勤で1万円前後支給されます。
夜勤は月に5回程度のため、それだけで5万円も給与に差が出てしまうのです。
それを年間で考えると60万円以上差が出てしまいます。
危険手当/特殊業務手当
手術室やICU、救急外来など特殊業務を必要とするような部署では危険手当や特殊業務手当が支給されます。
また、被爆のリスクのある放射線科、暴力被害リスクのある精神科なども危険手当が支給される場合があります。 これらの手当ては月1万円ほどとなります。
給与が高くないと離職してしまう
看護師の業務はハードです。 それは身体的な疲労だけではありません。
患者さんの命と向き合うことで精神的にもハードな現場と言えます。
そんな心身ともにハードな仕事をしているのに給与が低かったらどうなるでしょうか。
業務量に給与が見合わないことで離職者が増えてしまいます。
医療施設はなくてはならないものです。 しかし、そこで働く人がいなかったら立ちゆかなくなってしまいます。
施設稼働を維持するためにも、ある程度の給与を保持していく必要があるのです。
看護師の給料は高すぎる!?
看護師の給与は本当に高いのでしょうか。
看護師でも日勤のみで勤務していると平均年収は400万円台で、一般の会社員の年収と大差がないことが分かります。
また、夜勤をしたとしても年収500万前後です。
高年収かというと、そうも言い切れない数字ですよね。
勤める医療施設によって年収に差もでてきます。
女性の年収としては高めとも言えますが、夜勤をしても同年代の一般的な会社員と月給は同じくらいです。
「人の命に関わる仕事をし」、「夜勤もこなし」、「心身ともに負担が大きく」、「感染リスクのある危険な仕事をしている」ということを考慮すると、もうちょっと給与が高くてもいいのでは…と感じてしまいます。
実際に働いている看護師も仕事内容に給与が見合っていない、と感じている人が多いようです。
2021年には看護師の給料が上がるニュースもあった
2021年11月19日に政府は看護職の賃金を平均で月4000円(収入の1%ほど)引き上げることを決定し、2022年2月から適用されます。
将来的には収入の3%程度の賃上げを目指しているとのことです。
月に数千円でも長い期間で見れば大きな違いになりますね。
【参考リンク】岸田内閣総理大臣記者会見 | 首相官邸ホームページ
まとめ
・年収を上げる方法はいくつかあるが、ライフスタイルに合うものを選びたい
・副業は、本業や健康に影響のない範囲で
・年収を上げるには、まず行動することが大切
年収を上げる方法をご説明しました。
あなたの看護師生活がさらに充実するよう願っています。
執筆者情報:裕美の転職研究所
ナース裕美(緒方 裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務。現在はキャリアアドバイザー、転職メディア運営、メディカルライターとして活動中。
保有資格は「看護師免許」、「職業紹介責任者(番号:001-220124001-05302)」
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