ナース裕美です。
夜勤専従看護師って聞いたことあるけど、どんな勤務体系なんだろう。
夜勤専従看護師はどんな施設で働くことになるんだろう。
給与が高いって本当?
こんな疑問にお答えします。
夜勤専従看護師とは、夜勤帯に勤務する看護師を指します。
近年、子育てや家庭との両立を図るため日勤のみの求人が人気となっています。
そのため、医療施設や介護施設などで夜勤帯に勤務する人材が不足している状態です。
その人材不足対策として夜勤専従看護師を求める施設が多くなっています。
この記事では看護師の私が、夜勤専従看護師の特徴やメリット・デメリット、求人の探し方をご説明します。
あなたの転職活動の一助になれば幸いです。
この記事の執筆者
ナース裕美 / 緒方裕美
看護師免許を持つ。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務。
現在フリーランス看護師。
看護師としての視点から、転職に役立つ記事作成をしています。
夜勤専従看護師の実際
夜勤専従看護師の勤務先
常勤の場合は、基本的には夜勤のある病院が勤務先となります。
病室の巡回や点滴管理、検温など通常の病棟業務を行います。
非常勤の場合は、病棟の他、24時間看護師を常駐している介護施設などがあります。
利用者の就寝前後のケアや排泄介助などを行います。
夜勤専従看護師の勤務時間
夜勤専従は日勤+夜勤の通常勤務と比べて1回の勤務時間は長くなります。
その分月の勤務日数は少なくなります。
求人で多いのは16:30~翌9:30や、17:00~翌9:30といった、夕方から翌日朝までの勤務です。
休憩は1時間半から2時間の施設が多いようです。
夜勤専従看護師のメリット
ここからは、夜勤専従看護師のメリットをご説明します。
(1)高額給与
給与は施設によって異なりますが、非常勤であれば一回の夜勤で3万5000円前後、常勤で月に9~10回の夜勤を行って月給40万前後の施設が多いです。
年収に換算すると600万前後になります。高額ですね。
月9回の勤務で週に換算すると週2~3回の勤務となります。
非常勤ですと月に4回以上の求人が多く、月4回勤務したとすると給与は14万円ほどです。
4回勤務で14万円です!
勤務日数が少なくてもしっかりと稼げるのが夜勤専従看護師の最大のメリットです。
(2)日中の時間を使える
夜勤専従看護師は夜勤に特化した働き方をするため日中の時間は自由に使えます。
仕事と趣味を上手に両立している人もたくさんいます。
夜勤明けでも次の日のことを考えずに日中動けるため、時間を有意義に使えます。
(3)連休を取りやすい
日勤・夜勤込みの通常勤務ですと連休はとれて2連休…。
もしくは3交替ですと、休みも休みじゃない…そんなこともありますよね。
夜勤専従の場合は週2~3回の夜勤で、月9~10回の勤務であることが多いです。
夜勤明けで3連休、4連休なんてシフトが当たり前だったりします。
少し足を延ばしての旅行も思い通りですね。
確かに夜勤は勤務時間も長いですし、スタッフも少ないので勤務自体は大変です。
それでも休日がしっかり取れるため、体の疲れを取りながらリフレッシュもできます。
(4)煩わしい仕事からの解放
通常勤務ですと、病院の委員会活動や係活動など看護業務以外の仕事が沢山あり負担になることも。
しかし、夜勤専従の場合は月の勤務日数が少ないことから、それらの仕事を免除されるケースが多いようです。
また、夜勤専従看護師は夜勤リーダー業務を行うこともありません。
煩わしい仕事から解放されて看護業務に専念できます。
(5)人間関係が楽
施設によっては夜勤が一人体勢で自分しかいない…なんてことも。
一人夜勤でない場合でも、夜勤の顔触れは毎回違います。
もし苦手な同僚がいたとしても毎回一緒に働くわけではないのでライトな関係を築くことができます。
人間関係に悩まされずに看護業務に専念できるのは大きなメリットとなります。
夜勤専従看護師のデメリット
ここからは、夜勤専従看護師のデメリットをご説明します。
(1)体調を崩しやすい
夜勤専従ということは昼夜逆転の生活を送る時間が長いです。
昼夜逆転の生活をしていると自律神経が乱れ、体調不良を起こしやすくなります。
確かに夜勤専従で生活リズムは一定ではありますが、寝るべき時間に仕事をしているわけですから、週1~2回の夜勤でも自律神経は乱れます。
休日に体内時計を正常にできるように生活し、上手に体調管理をしていくことが必要です。
(2)患者さんについての情報が得られづらい
週1~2回の勤務で夜勤なので患者さんと触れ合う機会も少ないです。
そのため、患者さんの名前と顔をなかなか覚えられなかったり、患者さんの普段の状態が分からなったり、というようなケースもよく起こります。
なので、自分からしっかりと情報収集をしていく姿勢が大切となります。
少ない時間でも患者さんとコミュニケーションを図り、自分自身が働きやすい環境を自分で作っていくことが重要です。
(3)常勤の求人は少ない
常勤は手当の種類も多く、賞与も出るため非常勤に比べて好待遇となります。
そのため、常勤を希望する人も多いでしょう。
しかし、夜勤専従のスタッフを非常勤で補う方針の施設がほとんどのため、常勤での募集は少ない傾向にあります。
夜勤専従看護師に向いている人
ここからは、夜勤専従看護師に向いている人をご説明します。
休日を多く取りたい人
前述の通り、夜勤専従看護師は月の勤務日数が通常勤務の看護師より少なくなります。
また、勤務後は連休であることがほとんどなので、休日を有効に使うことができます。
そのため、仕事もプライベートも充実させたい人に向いています。
日中の時間を使いたい人
子どもがいる場合、子どもの行事や予定の大半は日中です。
日勤の場合は、子どもの行事予定に合わせて有給休暇を取る必要がありますし、忙しい部署ですと希望の休日が取れない、なんてこともあります。
夜勤専従の場合は、そんな心配はいりません。
また、趣味や習い事に時間が使いやすかったり、すいている時間に役所や銀行に行けたりと、日中の時間を有効に使うことができます。
給与を上げたい人
前述の通り、夜勤専従は非常勤であっても勤務日数が少ない割に、給与は高めです。
「体力もあるしガツガツ稼いで旅行にたくさん行きたい!」「そんなに多くの日数勤務するのは嫌だけど給与はほしい」なんて人に向いています。
生活リズムが夜型の人
「もともと朝が弱く日勤の時間に起きるのが辛い」「夜型人間だから夜仕事をすることが辛くない」というような人もいるでしょう。
夜中でもキビキビ働けるような人は即戦力として重宝されます。
夜勤専従看護師の求人を探すには
夜勤専従の看護師の求人は少ないため、看護師の転職サイトで求人をできるだけ集めてから、職場を探していきましょう。
看護師専門の転職サイトは一般には公開されていない、条件の良い非公開求人もありますので、必ずチェックしておきたいところです。
また、転職サイトも様々なものがありますので、選ぶ際は求人数が多いこと、利用者満足度が高いことを確認して失敗のないようにしてくださいね。
転職サイト選びが転職成功の鍵をにぎっています。
おすすめの転職サイトは以下の記事を参考にしてくださいね。
夜勤専従看護師の手取りはどのくらいか
給与は施設によって異なりますが、以下のとおりです。
出勤回数 | 月給 | 手取り | 年収 | |
常勤 | 月に9~10回 | 40万円前後 | 30万円台 | 600万円前後 |
非常勤 | 月に4回 | 14万円前後 | 10万円台 | 170万円程度 |
看護師夜勤専従のスケジュール
夜勤専従看護師のスケジュールは勤務が2交替制か3交替制かによって変わってきます。
2交替制:16時間勤務となります。夕方から翌日朝まで勤務します。勤務時間は施設によって異なります。
3交替制:準夜帯・深夜帯それぞれ8時間勤務となります。準夜帯では夕方から24時まで、深夜帯では0時から朝まで勤務します。勤務時間は施設によって異なります。
日本看護協会で夜勤に関するルールが定められており、2回までしか連続して夜勤を行ってはならことになっています。
また、
「夜勤1回の場合、その後24時間以上の休息を、2連続夜勤の場合、その後48時間以上の休息を与えなければいけない」
と定められています。
夜勤専従看護師についても日本看護協会によって定められており、「1か月144時間以内の労働であること」となっています。
そのため、2交替勤務の夜勤の場合は1カ月に最大9回勤務できる計算です。
夜勤専従看護師に向いている経験年数
ここでは、夜勤専従看護師に向いている経験年数をご説明します。
はっきり言えるのは、「新人看護師や急変対応に自信のない経験年数の人には向いていない」ということです。
夜勤は日勤よりもスタッフの人数が少ないです。
夜勤専従看護師は受け持ちは持たないものの、バイタルサイン測定や点滴作成、食事介助、体位変換など一般の夜勤看護師が行う業務を担います。
そのため、ある程度1人で考えて判断しながら行動できないとだめです。
また、急変が起こった場合も臨機応変に対応できる力が必要です。
そのため、私の感覚としては、日勤・夜勤共にリーダー業務を問題なく行えるような経験年数がないと、夜勤専従は難しいと考えてます。
看護師夜勤専従バイトってどう?
ここでは、看護師夜勤専従バイトはどうなのか考えてみましょう。
結論、常勤の看護師として働き、夜勤バイトをすることはおすすめできません。
長期休暇などを利用すれば問題ありませんが、普通に働きながら、連休があるから夜勤バイト、というのはやめた方がいいです。
休むときにしっかり休まないと、仕事中の集中力にも影響が出てきます。
看護師として働いている以上患者さんの命を預かっているわけですからミスは許されません。
心身ともに健康であるからこそ、患者さんに寄り添った看護を行えると言えます。
看護師夜勤専従はどんな施設があるのか
夜勤専従看護師は一般の病院での勤務となります。
また、非常勤にはなりますが、24時間看護師を常駐させている老人保健施設などの介護施設でも多くの募集があります。
まとめ
・夜勤専従看護師は非常勤求人が多いです。病院以外にも介護施設などで募集がされています。
・メリットは給与が高額であることと、休日がしっかりとれること。デメリットは体調不良を起こしやすいことです。
・メリット、デメリットをしっかりと把握して、自分の体力・ライフスタイルを検討した上で求人を探しましょう。
夜勤専従看護師の特徴やメリット・デメリット、求人の探し方をご説明しました。
あなたの転職が本当に満足いくものになるように願っています。
執筆者情報:裕美の転職研究所
ナース裕美(緒方 裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務。今はフリーランス。
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