ペインクリニック看護師の仕事内容は??
ペインクリニック看護師の求人はどうやって探せばいいの?
そんな疑問にお答えします。
ペインクリニックとは、主に薬物療法を用いて疼痛や神経症状の緩和を図ることを目的とした外来(麻酔科外来)です。
外来ではありますが、求められる看護スキルは整形外科看護や手術室看護などの領域と重なる部分が多く、高いスキルが求められます。
ペインクリニックの求人数は少なめで、給与は少し低めです。
転職する際は、求人情報を比べながらベストな職場を見つけたいですね。
この記事では、看護師の私がペインクリニックの看護師の特徴やメリット・デメリット、求人の探し方をご説明します。
あなたの転職活動の一助になれば幸いです。
この記事の執筆者
ナース裕美 / 緒方裕美
看護師免許を持つ。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務。今はフリーランス。
看護師としての視点から、転職に役立つ記事作成をしています。
ペインクリニックの看護師の仕事内容
ペインクリニックの主な治療対象の症状は、頭痛・顔面痛・腹痛・腰痛・手術後の痛み・がんによる痛み、などとなります。
また、慢性的な痛み(抗がん剤投与中、膝に水が溜まりぬいている)に対するコントロールとして通院する患者さんも多いです。
検査で痛みの原因を探り、その原因や体調に合わせて適切な治療を施します。
そして一つの痛みが引き起こす、新たな痛みに対して緩和・改善のための治療も行います。
それでは、ペインクリニック看護師の仕事内容をご説明します。
問診
外来の受付や問診を行います。
ペインクリニックでは多くの患者さんに対して侵襲的治療を行うため、患者さんが持つ痛みがどのような痛みであるか、どの程度の痛みなのか正確に把握することが重要です。
問診では患者さんが感じている痛みに対して詳細にヒアリングを行います。
また、現在に至るまでの治療歴、感じる痛みの経過、服薬状況なども同時に確認します。
医師への伝達
問診から得られた情報で痛みを客観的に評価し、医師へ伝達します。
評価の基準はVAS(痛みがどの程度か視覚的に判断するスケール)やFRS(表情で痛みを判断するスケール)を用いて行います。
診察時に患者さんが痛みについて医師に直接訴えても良いのですが、コミュニケーション力が低い医師もいますし、患者さんも医師の前だと萎縮して「そんなに痛くありません」と言ってしまう人もいます。
看護師が橋渡しの役割をすることで、スムーズにより良い治療を行えるのです。
神経ブロック注射の介助
神経ブロックの注射は医師の業務です。
看護師は薬剤・物品の準備を行い、注射時の医師の介助を行います。
また、治療時に必要な体勢が整えられるよう、患者さんの介助を行っていきます。
自宅療養の指導
安楽な体位の調整方法、自宅でできる理学療法などの指導、服薬指導を行います。
患者さんが痛みを軽減しながら日常生活を送れるよう援助します。
ペインクリニック看護師をするメリットデメリット
メリット
夜勤がなく、残業は少ない
ペインクリニックは外来のため夜勤はありません。
また、完全予約制であることがほとんどのため残業も基本的にはありません。
プライベートを充実させたい人にもってこいですね。
疼痛管理の知識を得られる
疼痛管理を行っている外来のため疼痛ケアや緩和ケアについての専門的な知識を得ることができます。
疼痛管理については整形外科やがん病棟など幅広い分野で必要な知識となりますので、看護師としての自分の強みとすることができます。
患者さんの生活の質向上に貢献できる
痛みがあることは生活するうえで大きなストレスとなり、精神的にも落ち込みやすくなります。
そんなストレスを抱えた患者さんがペインクリニックを受診し、症状から解放される姿を目の当たりにすることができます。
患者さんの生活の質を向上させることに貢献できることは看護師としてのやりがいにつながると言えます。
コミュニケーションスキルが身につく
ペインクリニックの看護師にとって問診は重要な業務です。
看護師は、患者さんから痛みの聞き取りをして、話を整理してから医師に伝える役割があります。
話を聞き取る能力、まとめる能力、伝える能力を向上させることができると言えます。
これらのコミュニケーション能力は、どこでも必要な能力ですので向上しておくに越したことはありません。
患者さんに寄り添った看護を行える
患者さんによって痛みの部位・度合いは様々です。
そのため、患者さんの治療のゴールも人それぞれ、となってきます。
一人一人の患者さんとしっかり向き合い、一人一人に合わせた看護を実践していくことができます。
デメリット
給与は低め
ペインクリニックは日勤のみで残業もほとんどないため、給与も低めとなります。
勤務する病院によって給与は変わってきますのでしっかりと見極めることが必要です。
一般的なクリニックより大学病院のペインクリニックを選ぶ方が基本給は高い傾向にあります。
また、手術室経験や緩和ケア経験があると給与がアップするところもあるようです。
精神的ストレスがかかる
神経ブロック注射を行うため常に緊張感が漂います。
また、患者さんのモニタリング(血圧、SPO2、心電図)を行いながら治療を進めていきます。
異常の早期発見に努める必要があるためモニタリング中は気を抜けません。
そして、使用する薬剤も鎮痛薬や鎮静薬など危険薬・劇薬の場合が多いため扱いにも細心の注意が必要となります。
これらのことが毎日続くため、看護師にとっては精神的にストレスを感じやすい環境と言えます。
治療が思うように進まないことがある
痛みのコントロールは一度で終わらないことがほとんどであり、定期的・継続的な通院治療が必要となります。その旨も患者さんに説明します。
しかし、一度痛みが取れたことで、病気が治ったと勘違いして通院を辞めてしまう患者さんもいます。
その場合、さらに痛みがひどくなった状態で再度来院されることが多いです。
治療を自己中断してしまう患者さんへの対応方法・アプローチ方法を確立させることが課題となっています。
求人が少ない
ペインクリニックを有する病院は少ないです。
また、疼痛管理を専門としたクリニックもほとんどありません。
そのため求人は少なめであり選択肢が狭まります。
希望条件を絞りづらくなってしまうため、ある程度の妥協が必要となってしまうこともあります。
ペインクリニック看護師に向いている人の特徴
臨床経験がある人
神経ブロック注射や関節空内注射についての知識や介助方法、鎮静剤や麻酔薬についての知識は必須です。
また、心電図のモニタリングや緊急時の対応が必要にもなりますので、ある程度の臨床経験があった方が良いでしょう。
ペインクリニックは専門的なスキルは身に付きますが、一般的な看護スキルを身につける機会は少ないため、臨床経験が浅い看護師には向いていないと言えます。
プライベートを充実させたい人
ペインクリニックでの勤務は日勤のみであり、残業もほとんどありません。
仕事と家事・育児を両立させたい人、プライベートの時間をしっかり取りたい人に向いていると言えます。
コミュニケーションスキルの高い人
ペインクリニックでは高いコミュニケーションスキルを必要とします。
また話を聞き出すのみでなく、患者さんの痛みに寄り添っていけるような共感力も必要となります。
ペインクリニック看護師の年収事情
ペインクリニックは名の通り、基本的に外来診療です。
疼痛管理専門の病棟はありません。
外来なので夜勤がないです。
そのため一般の看護師の平均年収よりも低めとなり、年収400万円台の職場が多いです。
ペインクリニック看護師の求人を探すには
ペインクリニック看護師の求人数は少ないため、看護師の転職サイトで求人をできるだけ集めてから、職場を探していきましょう。
看護師専門の転職サイトは一般には公開されていない、条件の良い非公開求人もありますので、必ずチェックしておきたいところです。
また、転職サイトも様々なものがありますので、選ぶ際は求人数が多いこと、利用者満足度が高いことを確認して失敗のないようにしてくださいね。
転職サイト選びが転職成功の鍵をにぎっています。
おすすめの転職サイトは以下の記事を参考にしてくださいね。
まとめ
・ペインクリニック看護師に求められるスキルは、整形外科看護や手術室看護などの領域と重なる部分が多く、高いスキルが求められる
・ペインクリニックの求人数は少なめで、給与は少し低め
・ペインクリニック看護師の給与や労働条件は、どこの病院を選ぶかで変わってくる
ペインクリニック看護師についてご説明しました。
あなたの転職が本当に満足いくものになるように願っています。
執筆者情報:裕美の転職研究所
ナース裕美(緒方 裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務。今はフリーランス。
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Email:nursehirocom@yahoo.co.jp
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