ナース裕美です。
申し送りのコツってある??
申し送りが苦手。。
元ICU看護師の私が、そんな疑問や悩みにお答えします。
病棟勤務の看護師にとって申し送りは必要な業務となります。
しかし、申し送りに苦手意識を持つ人は少なくありません。
「申し送ることがまとまらなくて時間がかかる」
「先輩からの突っ込みが怖い」
「傾聴されていることに緊張感が高まる」
苦手な理由は人それぞれです。
特に先輩に申し送ることを苦手と感じている人は多いです。
ではどうすれば申し送りに対する苦手意識を無くすことができるのでしょうか。
また、簡潔明瞭な申し送りができるようにするにはどうすればいいのでしょうか。
この記事では、元ICU看護師の私が申し送り時間の憂鬱を改善するためのコツを解説します。
あなたの看護師人生の一助になれば幸いです。
この記事の執筆者
ナース裕美 / 緒方裕美
大学病院にて眼科、ICUに11年勤務。今はフリーランス。
看護師に役立つ記事作成をしています。
申し送りのメリット
そもそも申し送りとはなんでしょうか?
一般的には「進行中の仕事を前任者から後任者へ引き継ぐ」ことを指します。
看護師も同様です。
前のシフト勤務者から次のシフト勤務者へ仕事の引継ぎを行います。
患者さんのケアについてはもちろんのこと、医師からの治療や処置に関する指示、患者さんの状態などをもれなく次の担当者へ伝えます。
これは、継続的な看護を行うための重要な過程といえます。
各担当者が情報収集をすればいいのでは?なんて思いますよね。
ただ、申し送りを正確に行うことでメリットもあります。
①看護する人が交代したあとも、患者さんの要望・希望に則った看護を引き続き行える
②看護師が交代しても、次の看護師が患者さんの状態を正しく把握したうえで看護に反映できる
③患者さんが必要とする診療行為や処置などを予定通り行える
④医師から指示があっても正確に伝わる
なんといっても正確に情報の共有ができる、ということが大切です。
申し送りのコツ【話し方のコツ】
聞き取りやすい話し方を心がける
話すスピードを相手に合わせる
もともと早口でハキハキ話す人に対して、ゆっくりとマイペースで申し送りをした場合、大抵イライラされます。
逆にゆっくり話す人に早口で申し送ると、話したことを理解されていないことがあります。
こんなことを避けるためには、意識的に相手のペースに合わせていくことが必要です。
声に抑揚をつける
小さな声で淡々と申し送られた場合、話の大事な部分がわかりにくく、聞き逃してしまうことがあります。
必ず伝えたいポイントでは少し声を大きめにして、ハキハキと話すことが重要です。
ミラーリング効果を活用
ミラーリング効果とは、相手のしぐさや表情に合わせることで、親近感や心の距離を近づける心理テクニック・コミュニケーションです。
申し送り時に相手と動作を合わせる、姿勢を合わせる、表情を合わせることで相手からの信頼を得ることができます。
信頼を得られれば先輩から必要以上に突っ込まれたり、怒られたりすることは減っていくでしょう。
人の申し送りを聞く
申し送りが上手な人っていますよね。
分かりやすく申し送りをする先輩のまねをしてみましょう。
「何を優先して申し送っているのか」「どうしたらわかりやすく伝えられるのか」「どこが自分と違う?どこがいいのかな?」など、取り入れたいと感じた部分は積極的にまねをしてみます。
そのうち自分の申し送りスタイルが確立されていきます。
理解しやすい話し方を工夫する
申し送りの定型文を決める
いつも同じ流れで会話することになれば、相手も申し送りの先を予見して聞けるようになります。
そのため、話していることも理解しやすくなります。
「患者氏名」→「疾患名・術式」→「時間」→「処置の内容」→「結果・現状」→「申し送り事項」というような流れが分かりやすいです。
時系列でまとめて申し送ると、色々な情報が混ざり合ってしまいます。
項目別に申し送りを行うことで情報が整理されます。
例えば「呼吸」「循環」「意識レベル」「皮膚の状態」「ご家族に関すること」「その他」などのように状態を項目別に分けて説明を行うと要点が明確になり、優先度も伝えやすくなります。
体験談
ICUでも申し送りの時間が長くて問題になったことがありました。
その際、申し送る内容と順序を目に見えるところに張り出して、それに沿って申し送りを行っていました。
どれだけ今まで無駄なことを話していたか…。
申し送りに時間がかかるようであれば、病棟全体で改善していくことも必要です。
伝える内容の順序考える
情報が行ったり来たりすると理解するのも困難となります。
分かりやすく順序だてて申し送りをする必要があります。
まず、結論や最も伝えなくてはいけないことを最初に話しておくと良いでしょう。
そのあとに、それに関するいきさつなどを説明を加えていきます。
申し送りを受ける方も、話の結論が分かっているため頭に入りやすくなります。
分からないことは後で報告
申し送りの途中で相手から突っ込まれると焦りますよね。
焦ると余計にうまく答えられなくなり、相手をイライラさせてしまう原因となってしまいます。
焦って緊張するあまり、適当に思いついたことを申し送るのは絶対ダメです!どっちにしろ後から修正をしなくてはいけません。
そうすると相手からの信頼も得られませんよね。
分からないこと・曖昧なことはしっかりと確認してから報告しましょう。
体験談
勤務していた病院は電子カルテだったため、知らないうちに遠隔で医師からの指示が出されていることが多々ありました。
そのため、申し送り時に新たな指示に気づくということも…。
その場合は、その場での指示受けはせずに、申し送り終了後に医師に指示の確認を行ってから指示受けをし、再度伝達しなおしていました。
無理に長く申し送る必要はない
患者さんの状態に変化がないと申し送ることはほとんどありませんよね。
慢性期で医師からの指示がほとんど変更しない、ということもあります。
そんな時、「何か申し送らないと…」と考えがちですよね。
申し送ることがなければ、「変わりありません」でいいと私は思っています。
体験談
眼科病棟では全てパスで動いていました。
そのため、医師からの指示も特別な場合を除いては決まっていますので、申し送りもほぼほぼ「変わりないです」「パス通りです」で終わっていました。
眼科では特に患者さんの移送介助方法についてはしっかりと申し送りをしていました。
視力が悪くて歩行に介助が必要でも、人によって介助方法は異なります。
手を引くのか、肩を掴んでもらうのか、見守りだけでいいのか、ナースコールに出る誰もが同じように介助ができるようにすることが必要でした。
まとめ
・申し送りに苦手意識を持っている人は多い。緊張しているのは自分だけではない。みんな同じ気持ちです。
・申し送りで重要なのは、要点を正しく伝える、ことです。スラスラ申し送ることがすべてではありません。確実に要点を押さえて申し送ることが大切です。
・相手にわかってもらおうと試行錯誤することで自分の申し送りスタイルが出来上がっていきます。
申し送り時間の憂鬱を改善するためのコツを解説しました。
あなたの看護師人生が充実するよう願っています。
執筆者情報:裕美の転職研究所
ナース裕美(緒方 裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務。今はフリーランス。
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