ナース裕美です。
看護師になるためには相当な努力が必要です。
たくさんの履修科目をこなし、実習に行き課題をこなし、寝る間も惜しんで国試の勉強をし、国試に合格してやっと念願の看護師になれます。
誰しも理想の看護師像を持ち、意気揚々と仕事を始めたことと思います。
しかし、実際働いてみると理想と現実のギャップが激しいと感じる人は少なくありません。
想像以上の忙しさ、学生時代より複雑な人間関係、自分のふがいなさを感じて落ち込む日々。
本当に自分は看護師に向いているのだろうか…、なんて考えてしまうことも。
看護師1年目は慣れない環境で、覚えることもたくさんあって、看護師としては一番辛く、苦しい時期です。
先輩看護師もみんな1年目はそんな感じでした。
それを乗り越えて、今の先輩看護師がいるんです。
この記事では、元ICU看護師の私が1年目の看護師に多い悩みについてまとめます。
悩んでいるのは自分だけではありませんよ!
あなたの看護師人生の一助になれば幸いです。
この記事を読むとわかること
・看護師の1年目の悩みがわかります。
・看護師1年目の乗り越え方がわかります。
・看護師1年目で転職していいのかわかります。
この記事の執筆者
ナース裕美(緒方裕美)
元看護師。現在はキャリアアドバイザーとして活動中。
保有資格は「看護師免許」、「職業紹介責任者(番号:001-220124001-05302)」
『ナース裕美の看護師転職サイト早わかり解説』(Kindle)著者。
看護師としての視点から、転職に役立つ記事作成をしています。
看護師1年目の悩み:理想と現実のギャップ
看護師になりたい!なろう!と考えたとき、どんな看護師像を持っていましたか?
患者さんに寄り添って、話を傾聴して、不安を取り除いてあげたい。
外科病棟などの急性期でバリバリ働きたい。
小児科病棟で子供たちの笑顔に触れたい。などなど。
様々な理想をもって看護師となり、病院に就職していると思います。
では実際はどうでしょう。
受け持ち人数が多く、処置も多いため一人一人の患者さんとゆっくり関わる時間が持てない。
急性期で働いているけど、業務量が多くて毎日パニック。
小児科に就職できたけど、親御さんとの関係に悩む。など。
思っていたのと違う!と感じることは多々あります。でもそれが現実なんです。
そして、自分の知識や技術が未熟であるがために「こんなに仕事ができないなんて」「迷惑ばかりかけてる」と落ち込むことも。
この理想と現実のギャップを消化しきれずに思い悩み、モチベーションを保てなかったり、やる気を削がれてしまったりします。
乗り越え方
自分一人で悩んでてもらちがあきません。
どんどんドツボにはまっていくだけです。
周囲の人に相談してみましょう。
プリセプターやコーチは、その1年目の理想と現実のギャップを乗り越えられるようにサポートするためにいます。
先輩たちにも1年目の時期はあります。
同じような経験で悩んでもいますので、その悩みを乗り越えた経験からのアドバイスをもらってみましょう。
今は自分のことで精いっぱいかもしれません。
その中でも先輩の働く姿を見てみましょう。
実際に患者さんと関わっている姿を見ることで、自分の将来の姿が想像できます。
看護師1年目の悩み:知識不足
看護師になるために国試を受けます。
国試の勉強って大変ですよね。
でも、実際に働き始めると、学校で学んでいないこともたくさんあることに気づきます。
国試は浅く広く、医療を全般的に学習する必要があります。
しかし、働き始めると。その診療科に特化した勉強をしていかなくてはなりません。
また、知識だけでなく、覚える技術もたくさんあります。
日々忙しい中で、寝る間も惜しんで勉強していっても、職場で先輩から怒られたり、指摘を受けたりすることも…。
特に1年目の看護師は先輩から注意されたり、怒られたりすると、必要以上に重く受け止めてしまう傾向があります。
乗り越え方
メモを活用
これは当たり前のことですが勉強でしか補うことができません。
メモを活用しましょう。
教えられたこと、指摘を受けたことをしっかりとメモし、復習をしましょう。
仕事をしていると、まとまった勉強時間を確保するのは難しいですよね。
そのため、その日にあったこと、指摘を受けたことは、その日のうちに復習する習慣を身につけましょう。
使いやすい書籍を探す
看護師は経験年数を重ねても勉強が必要な職種です。
早いうちから日々の勉強の仕方を身につけておくといいですね。
勉強の仕方や分かりやすい書籍の情報などを先輩からもらいましょう。
使いやすい書籍は人それぞれですが、色々見て自分の使いやすそうなものを探していきましょう。
看護師1年目の悩み:人間関係
学生の頃と違い、様々な人と関わることになります。
同期だけではなく、先輩看護師、上司などです。
この人間関係の悩みというのは、なにも1年目の看護師に限ったことではありません。
先輩看護師の中でも人間関係について悩んでいる人は多いです。
特に1年目の看護師は日々の業務で精いっぱいで周囲に気を遣う余裕なんてありません。
また、プリセプターやコーチとの相性や同期との技術・知識の差に悩む人が多いです。
乗り越え方
挨拶が大切
人間関係を円滑にするためには信頼関係を築くことが大切です。
まずは挨拶です。
これは基本中の基本です。
大声でなくてもいいので笑顔で明るく挨拶をしていきましょう。
それだけでも印象は良くなります。
報連相が重要
業務中は報告・連絡・相談が大切です。
リーダーによっては話しかけにくいな…、ちょっと苦手な先輩なんだよね…、なんてこともありますよね。
わかります。
でもそこは仕事、と割り切って、苦手な先輩にもしっかりと報・連・相!重要です。
言葉遣いに気をつける
気の合う先輩はいますか?いくら仲の良い先輩であっても業務中は言葉使いに気をつけましょう。
当人同士は良くても周りのスタッフに悪影響となることもあります。
先輩の言葉の裏には
先輩たちの厳しい言葉の背景には「しっかり育ってほしい」という親心が隠れています。
怒られたり、注意されたり、指摘されたり、落ち込むことも多いと思います。
ただ、それを「怒られた」「怖い」と考えるか、「自分のために言ってくれたんだ」「成長するため」と考えるかで精神的なストレス具合が変わってきます。
少しでもプラス思考で考えられるようになるといいですね。
看護師1年目で転職していい?
結論から言うと、おすすめできません。
理由は以下の通りです。
同期との差が開く
看護師にとって1年目は辛い時期ではありますが、同時にたくさんのことを吸収できる大事な時期でもあります。
1年目は先輩看護師から様々なことを教えてもらえる機会が多いですよね。
このタイミングで転職をしてしまうと、1年目で身につけるべき技術や経験を積むことができなくなり、同期との差が生まれてしまいます。
転職先の選択肢が少ない
1年目での転職は、「また、辞めてしまうのではないか」と面接官に思われてしまい、転職のハードルが上がります。
また、転職先の選択肢が限られてしまいます。
人手不足の病院であれば採用されるかもしれませんが、人手が足りないということは十分な教育を受けられない可能性があります。
また、即戦力を求められていることが多いため採用のハードルも上がります。
求人自体も臨床経験年数を設定している病院が多いです。
看護師としての経験が浅い場合は要件を満たせずに応募すらできない可能性もあります。
辞め癖がついてしまう
1年目で転職を経験すると辞め癖が付きやすいと言われています。
早期の退職は仕事を辞めることへのハードルを低くしてしまうからです。
少しでも嫌なことがあると「辞める」「辞めればいいや」という選択をしてしまう癖がつき、何度も転職を繰り返すことになってしまいます。
できるだけ退職以外の方法で問題や悩みを解決するスキルを養っていくことが大切です。
まとめ
・1年目の看護師に多い悩みは、リアリティショック・人間関係・知識不足である。
・それぞれ自分に合った対策を取っていくことが大切。
・先輩看護師もかつては新人。相談していくことで悩み解決のきっかけとなるかも。
・仕事が辛いのはどの新人看護師も一緒。自分だけではないことを知ると頑張れる。
・1年目での転職はお勧めできない。
1年目の看護師に多い悩みと乗り越え方についてご説明しました。
あなたの看護師人生が充実するよう願っています。
執筆者情報:裕美の転職研究所
ナース裕美(緒方 裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務。今はフリーランス。
所在地
東京都
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Email:nursehirocom@yahoo.co.jp
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