乳児院の看護師の仕事内容を知りたい!
乳児院の看護師になるにはどうしたらいい??
こんな疑問にお答えします。
乳児院とは、虐待や経済的な理由、両親の病気や死亡により、家庭での養育が困難になった乳児を、24時間365日体制で預かる施設です。
乳児院は「家庭に代わる第2の家」と定義され、24時間365日体制で「母親や父親の代わり」となって、乳幼児の心身の成長をサポートすることが、乳児院におけるもっとも大きな役割といえます。
健康管理や衛生指導がメインなので、職場のイメージとしては「保育園の看護師」に近いです。
24時間365日体制で働くため、夜勤もあり、それ以外も早番・遅番があったりと、シフト制で働くことになります。
乳児院の求人は倍率が高く、配置人数も少ないことから求人自体も少ないと言えます。
また、乳児院自体の人気が高いため、求人がでると応募が殺到してすぐに締め切られてしまうことが多いです。
乳児院では乳幼児に特化したケアが求められるため小児科勤務経験があったり、乳児院での経験がある看護師のほうが優遇されやすいでしょう。
この記事では看護師の私が、乳児院の特徴やメリット・デメリット、向いている人、求人の探し方をご説明します。
あなたの転職活動の一助になれば幸いです。
この記事の執筆者
ナース裕美(緒方裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務後独立。現在はキャリアアドバイザーとして活動中。
保有資格は「看護師免許」、「職業紹介責任者(番号:001-220124001-05302)」
『ナース裕美の看護師転職サイト早わかり解説』(Kindle)著者。
看護師としての視点から、転職に役立つ記事作成をしています。
当メディアは厚生労働省が規定している職業紹介責任者が監修しています。
乳児院の看護師の仕事内容
乳児院は看護師や保育士、栄養士、ソーシャルワーカーなどがチーム一体となって、家庭の事情で養育が困難になった乳幼児の「健やかな成長」をサポートする児童福祉施設です。
1歳の乳児を中心に、2歳くらいの幼児までを中心として預かります。
それ以上の年齢の子供については児童養護施設で養育されます。
乳児院は全国に144か所(2019年度)あり、約3,000名の乳幼児が利用しています。
身体的なハンディキャップや精神的な疾患を抱えている乳幼児と、健康優良児が約半数ずつとなります。
虐待や家族の精神疾患などの理由で入所する児童が多いです。
看護師の配置基準としては、乳児7人以上10人未満で看護師1人以上、乳児10人以上で看護師2人、それ以上は乳児が10人増えるごとに看護師が1人増える、といったものになっています。
それでは、乳児院の看護師の具体的な仕事内容をご説明します。
健康管理
子どもたちの健康状態を日々観察し、通常と比べて異常がないかをチェックします。
顔色、皮膚の状態、便の状態、元気があるかどうか、ミルクの飲み具合などを観察します。
乳幼児の場合は言葉を発せず、自分で体調について伝えることができません。
そのため看護師の観察が重要となります。
子供たちの変化を早期に察知し、対応していくことが大切です。
医療処置/投薬管理
けがをした子供の手当て、医師の診断のもと投薬を行います。
また、異常があった場合は医師へ報告・相談し、診察依頼します。
そして子供が通院する際には看護師が付き添います。
スタッフへの健康指導
乳幼児は感染症への抵抗力が低いです。
そのため、子供たちに接するスタッフが健康であることは重要です。
スタッフへの健康指導・管理も看護師の大切な業務となります。
家族対応
看護師による家族対応が必要であるかどうかは、施設によって異なります。
家族対応を必要とする施設では、保護者から子供の養育に関する希望が寄せられることがあります。
その希望に応じて対応したり、適宜保護者に状況報告を行ったすることもあります。
日常生活援助
保育士とともに乳幼児の日常生活の介助を行います。
おむつ交換、授乳、着替え、入浴、歯磨き、寝かしつけ、などなど。看護師による介入の度合いは施設によって異なります。
乳児院の看護師のメリットデメリット
メリット
福利厚生が充実している施設が多い
給与は低めですが、退職金制度を導入していたり、特別手当(住宅手当、家族手当、夜勤手当など)が充実している施設が多いです。
穏やかな職場
乳児院にいる乳幼児の半数は健康優良児のため、医療処置や投薬管理の業務はそれほど発生しません。
ケガや病気にかかっても、乳児院でできることは限られていることもあり、病院へ搬送することになります。
そのため、医療を提供するというよりかは日常生活援助がメインとなります。
病院勤務のようにピリピリとした雰囲気はないと言っていいでしょう。
乳幼児の成長を見守ることができる
乳児院に入所する乳幼児は0歳から2歳までのかわいい盛りです。
親代わりとして子供たちが心身ともに成長できるようサポートしていきます。
それを間近で見届けることができるのが乳児院の看護師ならではの喜びであり、やりがいです。
デメリット
夜勤がある
24時間365日体制の施設のため夜勤があります。
早番・遅番などもあるため生活リズムが崩れやすいと言えます。
しかし、夜勤の回数を制限している施設も多いです。
また、残業もほとんどありません。
給与は低め
夜勤手当がついても病院勤務と比較して給与は低めです。
乳児院は児童養護施設であり、利益を追求しない非営利組織なので、運営のための予算が少ないです。
そのため給与は低めであると言えます。
乳児院の看護師に向いている人
観察力に優れ、臨機応変に対応できる人
乳児院に入所する子供たちは、0歳~2歳くらいまでが中心であるため、自分自身で体調の不具合を伝えることが難しいです。
そのため、普段と様子がおかしいところがないか、看護師が自ら判断していく必要があります。
看護師が親代わりとなって「子供たちの様子の変化にいち早く気づく」という観察力と「迅速に対処する」という臨機応変さが求められます。
乳幼児と触れ合うことが好きな人
前述の通り、乳児院は、主に0歳~2歳までの乳幼児期の子供たちを、24時間365日体制で養育する児童養護施設です。
乳幼児に対して本当の母親・父親のような温かいコミュニケーションを図れる人、体の成長だけでなく心の成長をサポートできる人に向いています。
働きやすさを重視する人
乳児院の給与は決して高くはありません。
その代わり、病院勤務と比べて心身にかかるストレスは格段に低いと言えます。
ストレスが少ない職場で働きたい人に向いています。
乳児院の看護師求人を探すには
乳児院の看護師の求人は少ないため、看護師の転職サイトで求人をできるだけ集めてから、職場を探していきましょう。
看護師専門の転職サイトは一般には公開されていない、条件の良い非公開求人もありますので、必ずチェックしておきたいところです。
また、転職サイトも様々なものがありますので、選ぶ際は求人数が多いこと、利用者満足度が高いことを確認して失敗のないようにしてくださいね。
転職サイト選びが転職成功の鍵をにぎっています。
勤務先を選ぶときにチェックしておきたいこと
転職する際は、求人情報をよく見極めて良い条件の転職先を見つけたいですね。
転職してから後悔しないように、事前にチェックが必須な項目などを記事にまとめましたので、参考にして頂ければと思います。
まとめ
・乳児院の看護師は乳幼児の親代わりとなり心身の成長に関わっていく
・病院に比べて給与は低めだが、ストレスが少なく穏やかで働きやすい職場と言える
・求人数は少なく、人気があるため求人倍率が高い
乳児院の特徴やメリット・デメリット、向いている人をご説明しました。
あなたの転職が本当に満足いくものになるように願っています。
執筆者情報:裕美の転職研究所
ナース裕美(緒方 裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務。今はフリーランス。
所在地
東京都
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Email:nursehirocom@yahoo.co.jp
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