糖尿病内科の看護師の仕事内容は??
糖尿病内科の看護師の求人はどうやって探せばいいの?
そんな疑問にお答えします。
糖尿病内科では、おもに糖尿病(1型・2型ほか)、糖尿病合併症、および内分泌疾患を扱います。
糖尿病治療は、生活習慣の改善が基本であり、医師、看護師、薬剤師、栄養士、ソーシャルワーカー等がチームを組み、おもに食事療法、運動療法、薬物療法の3つを柱に血糖をコントロールすることにあります。
糖尿病内科の求人数は多い傾向がありますが、給与は平均的です。
求人を比べながらベストな職場を見つけたいですね。
この記事では看護師の私が、糖尿病内科の看護師の特徴やメリット・デメリット、求人の探し方をご説明します。
あなたの転職活動の一助になれば幸いです。
この記事の執筆者
ナース裕美(緒方裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務後独立。現在はキャリアアドバイザーとして活動中。
保有資格は「看護師免許」、「職業紹介責任者(番号:001-220124001-05302)」
『ナース裕美の看護師転職サイト早わかり解説』(Kindle)著者。
看護師としての視点から、転職に役立つ記事作成をしています。
当メディアは厚生労働省が規定している職業紹介責任者が監修しています。
糖尿病内科の看護師の仕事内容
糖尿病の場合、患者さんは病気と一生付き合っていく必要があるため、患者さん、医師、看護師の3者間で情報をしっかり共有し、食事療法や運動療法について、細かい計画・目標を立てて療養指導を行っていくことが重要となります。
そんな糖尿病内科看護師の仕事内容をご説明します。
一般的な病棟業務
一般的な病棟業務である、バイタルサインの測定や清潔ケア、必要時移動介助などを行います。
糖尿病の患者さんは基本的に自立度が高いです。
自分のことは自分でできる人がほとんどです。
しかし、神経障害や末梢動脈疾患によって下肢に障害が出てくることもあります。
その場合は移動の介助が必要です。
患者さん一人一人の自立度をしっかり確認し、必要な援助を計画していきます。
情報収集
糖尿病の治療・ケアには情報収集が重要です。
入院患者さんに普段の食生活や運動習慣について、飲酒や間食の習慣について、仕事の内容について、誰と一緒に住んでいるのかなど、治療に関わる項目に関しての詳細な情報を収集します。
この情報は医療チーム内で共有します。
その後の治療方針・指導方針に繋がるため確実に情報収集していく必要があります。
フットケア
糖尿病の合併症では末梢への血流が不十分になって冷えや痛み、しびれを起こす末梢動脈疾患があります。
そのほかの合併症に神経障害があるため、自分の体のことでも異常に気付きにくくなっています。
これを放っておくと壊疽を起こし、最悪の場合切断しなければいけない可能性もあります。
この合併症を防ぐのがフットケアです。
患者さんの足の傷の有無の確認、爪の伸び具合、変形の程度、たこや水虫の有無、炎症の有無などをチェックし、清潔を保持します。
異常を発見した場合は、医師に報告をするなど迅速に対応していく必要があります。
自己注射の指導
糖尿病治療ではインスリン注射を使用することが多いです。
自分でインスリンの管理が行えるよう、インスリン注射について指導します。
最初は看護師の方で血糖値を確認してから注射するインスリンの単位を準備します。
しかし、インスリン注射は退院してからも必要なものになるため自分で注射できるように指導する必要があります。
安全に、確実に、必要な単位を注射できるよう繰り返し指導を行います。
患者さんとともに一緒に暮らす家族に対しても指導します。
血糖測定方法の指導
糖尿病治療には血糖測定が欠かせません。
インスリン注射と同様、血糖測定も退院後は自分で行う必要があります。
血糖測定のタイミングや方法について指導を行います。
こちらも患者さんとともに一緒に暮らす家族に対しても指導します。
生活指導
糖尿病治療において食事や運動などの生活を改善することは重要です。
患者さんによって必要な食事療法、運動療法は変わってきます。
医療チーム内でそれぞれの患者さんに最適な食事療法、運動療法について計画・目標をたて、それに沿って指導を行っていきます。
すべての指導を看護師が行うことはありませんが、適宜患者さんの理解度を確認し、再指導の依頼をしていくことが必要となります。
食事指導に関しては、患者さん以外の家族が食事を作っている場合は、家族に対しても同様に指導を行います。
糖尿病内科看護師をするメリットデメリット
メリット
専門の資格を取得できる
「糖尿病療法指導士」や「糖尿病看護認定看護師」などの資格取得など、スキルアップを目指すことが可能です。
糖尿病療法指導士
糖尿病治療における生活指導のエキスパートです。
受験者用講習会を受講することが必要です。
糖尿病看護認定看護師
血糖パターンマネジメント、フットケア等の疾病管理および療養生活支援を行います。
看護師としての実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)が必要です。
専門的な知識を高めることができる
糖尿病内科では、糖尿病の知識や指導についてなど専門性を高められるといえます。
今後高齢化社会が進むことにより、生活習慣病を発症する患者さんの数はますます増加すると予想されています。
また、他の診療科につとめていても糖尿病を既往症として持っている患者さんは多いです。
糖尿病内科で身につけた知識は今後転職をする際にも自分の強みとしてアピールすることが可能です。
患者さんによっては糖尿病とつきあっている期間が長く、病気についても詳しい人がいます。
そんな患者さんに対しても専門家としてしっかりと指導を行っていく必要がありますので、何を聞かれても返答できるように自分自身の知識を高めておくことが重要です。
一人一人の患者さんと深く関わることができる
糖尿病は一度発症すると一生付き合っていく可能性が高い疾患です。
そのため、患者さんとの付き合いも長くなります。
継続して一人の患者さんと向き合い、指導し、時には励まし、喜びを分かち合うこともできる、看護師としてやりがいを感じられる診療科と言えます。
デメリット
コミュニケーションで苦労する
糖尿病内科では患者さん・ご家族に指導することが多いです。
糖尿病の治療方針やその重要性などを患者さんに説明しても理解を得られないなど、コミュケーションをとることが難しいと感じてしまうこともあります。
患者さんは自分より年配の方が多く、長年の生活習慣を変えていくのはとっても大変なことです。
そんな患者さんに快く治療に取り組んでもらえるようにコミュニケーション方法を工夫していく必要があります。
教育入院の患者さんの場合、自覚症状がなく、体は元気!という患者さんも多くいます。
患者であるという自覚が足りず、入院が退屈で病院を抜け出してしまう、なんて患者さんもいますので、入院の必要性をしっかりと伝えていくことも必要となります。
残業は多い
糖尿病内科では患者さんとのコミュニケーション時間が長く、しかもそれを通常の業務にプラスして行うことになります。
患者さんやその家族に対しての指導時間も必要です。そのため残業は多い傾向にあると言えます。
糖尿病内科看護師に向いている人の特徴
コミュニケーションスキルの高い人
糖尿病治療は医師・看護師だけでなく様々な職種とチームを組み、一人一人の患者さんに合った治療法の選択を行っています。
看護師はその中で、患者さんと接する時間が一番長いため、患者さんと医療チームとの橋渡し役を担っています。
患者さんから情報を収集し、チームに伝達する。
カンファレンスでは自分の意見を伝えるとともに、患者さんの意向を伝える役割もあります。
糖尿病は一度発症すると一生付き合っていかなければならない疾患であることから、患者さんの不安やストレスも増大化しやすいです。
マイナス思考になる患者さんも多いため、看護師は出来る限り話し相手となり、ストレスのはけ口的存在になることが求められます。
そうすることで、より患者さんとの信頼関係を築いていけるのです。
そのためには高い共感力も必要となります。
指導力の高い人
糖尿病内科では患者さん・ご家族に指導する場面が多々あります。
患者さん一人一人の理解度に合わせた指導をしていくための工夫が必要です。
また理解が不十分な場合は繰り返し指導を行うことになりますので、その都度患者さんの理解度を確認しながら、その時々に合った指導を行うことが重要です。
糖尿病内科看護師の年収事情
糖尿病内科看護師の年収は、一般的な看護師の平均年収と同等です。
病棟の場合は夜勤手当が加算され年収目安は500万円台です。
また、糖尿病看護に活かせる各種資格を保有していると年収は若干上がる傾向にあります。
糖尿病内科の看護師求人を探すには
看護師の転職サイトで求人をできるだけ集めてから、職場を探していきましょう。
看護師専門の転職サイトは一般には公開されていない、条件の良い非公開求人もありますので、必ずチェックしておきたいところです。
また、転職サイトも様々なものがありますので、選ぶ際は求人数が多いこと、利用者満足度が高いことを確認して失敗のないようにしてくださいね。
転職サイト選びが転職成功の鍵をにぎっています。
おすすめの転職サイトは以下の記事を参考にしてくださいね。
勤務先を選ぶときにチェックしておきたいこと
糖尿病内科の看護師の給与や労働条件は、どこの病院を選ぶかで変わってきますので、求人情報をよく見極めて、良い条件の転職先を見つけたいですね。
転職してから後悔しないように、事前にチェックが必須な項目などを記事にまとめましたので、参考にして頂ければと思います。
まとめ
・「糖尿病療法指導士」や「糖尿病看護認定看護師」などの資格取得など、スキルアップを目指すことが可能
・糖尿病内科の求人数は多い傾向がある
・糖尿病内科看護師の給与は平均的
糖尿病内科の看護師についてご説明しました。
あなたの転職が本当に満足いくものになるように願っています。
執筆者情報:裕美の転職研究所
ナース裕美(緒方 裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務。今はフリーランス。
所在地
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Email:nursehirocom@yahoo.co.jp
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