面接では退職理由をどう答えればいい??
職場には退職理由をどう伝えたらいい??
こんな疑問にお答えします。
看護師の退職理由は、人によって様々ですが、転職時の面接や、職場への退職願では本音と建前を使い分けることで、スムーズに先に進むことができます。
この記事では退職理由を面接時や職場でスムーズに伝える方法をご説明します。
あなたの看護師人生の一助になれば幸いです。
この記事の執筆者
ナース裕美(緒方裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務後独立。現在はキャリアアドバイザーとして活動中。
保有資格は「看護師免許」、「職業紹介責任者(番号:001-220124001-05302)」
『ナース裕美の看護師転職サイト早わかり解説』(Kindle)著者。
看護師としての視点から、転職に役立つ記事作成をしています。
当メディアは厚生労働省が規定している職業紹介責任者が監修しています。
看護師の退職理由と面接での答え方
さっそく看護師の退職理由と面接での答え方をご説明します。
1)給与や待遇に不満がある
看護師の仕事は体力的にも精神的にもきつい仕事です。
だからこそ給与や福利厚生だけは高待遇であってほしいと誰しも思うところです。
でも、なかなか満足のいく待遇が得られなかったりするのも現状です。
看護師は少し経験を積めば高待遇の職場に転職できますし、経験がなくてもうまく転職活動のコツをつかんで進めれば、今よりも条件の良い職場に転職できます。
転職のハードルも他の業界に比べるとそこまで高くないため、給与や待遇に不満があって退職する看護師は多いです。
面接での答え方
給与や待遇に不満があるという退職理由を面接で答えるのは避けたほうがよいです。
それよりも、
「挑戦したい仕事がある」
「新しい職場でスキルアップをしたい」
「応募先の職場でしか経験できない仕事がある」
など、あくまでポジティブな理由を前面にだして答えるのがベターです。
面接官もある程度、前の職場に何かしら不満があることくらいわかっています。
ただ、その不満を前面に出してくる応募者は、あまり印象がよくないです。
面接官が前の職場に不満がなかったか、質問で深堀りしてきたときにも、「特に不満はなかった」と一貫して答えれば、それ以上聞かれることはありません。
面接官に前の職場の不満を伝えた場合、「うちの職場にもそういう点があるけど大丈夫ですか?」などと返されて、うまく切り替えせなくなります。
また、面接官は、またすぐに不満が出てきて辞められても困るので、その不安が解消できるような答えが応募者から聞けないと、採用しないことが多いです。
2)人間関係にうんざり
看護師の職場は、特殊な女性社会や、医師のモラハラなどで、人間関係にうんざりする人も多いですよね。
仕事内容もきついのに人間関係まで悪かったら、毎日仕事をするのが余計に辛くなってきます。
職場のスタッフはなかなか変わらないので、それだったら転職してしまって人間関係をリセットしてしまおうと考えたくもなります。
看護師の退職理由の上位には、常に人間関係の問題があります。
面接での答え方
人間関係が悪いなど、どこの職場にも共通する理由は面接では伏せておきます。
どこの職場にも大なり小なり人間関係の問題はあるので、面接官は人間関係で退職した看護師を採用したいと思いません。
理想を言えば、職場を活気づけたり、雰囲気を和ませるような人材が欲しいわけです。
面接官は面接でわざと冗談を言って、応募者がどんな反応をするかをチェックしている場合もあります。
ちなみにそんな時は、正解はありませんが、笑顔でほどほどに冗談に付き合うと面接官の印象はよいです。
また、面接以外での採用担当者とのやり取りなどからも、応募者の協調性や常識レベルをチェックしていますので、常に朗らかに礼儀正しくしていることが大切です。
3)体力的にきつい
看護師の職場は日々バタバタで、急患対応やイレギュラーな仕事のオンパレードです。
また、夜勤と日勤の連続で体調を崩すなど、体力的にきつい仕事です。
若いうちはなんとかエネルギーで乗り切れても、年齢を重ねるとしんどくなってくる人も多いのではないでしょうか。
仕事は好きだけど、もう少し体力的に楽な職場に転職したいと思うときもあります。
看護師はこの体力的な問題で退職する人も多いです。
面接での答え方
これは、面接でも正直に伝えてよい種類の退職理由になります。
ここで無理して体力的にきつかったことを伏せてもあまりいいことはありません。
面接でどう体力的にきつかったかを伝えることで、もし応募した職場も同じく体力的にきつい職場だった場合、面接官から指摘してもらえる可能性もありますし、求人情報ではわからなかった内情を知ることができる場合もあります。
また、面接官も看護師の体力的な問題は十分理解していますので、そこで人物評価のマイナス点はつけません。
ただし、当院で働きたいという前向きな理由は必ず伝える必要があります。
4)命に関わるプレッシャー
看護師の仕事は少しのミスが大きな事故になってしまうこともあり、命に関わるプレッシャーが多い仕事です。
また、ミスが原因ではなくても、患者さんの死に直面することは多く、精神的に疲弊する仕事でもあります。
診療科によって、回復する患者さんを多く見られる職場もあれば、なかなかそうもいかない職場もあります。
この命に関わるプレッシャーを感じない職場に転職したくて退職する人も多いです。
面接での答え方
これは、面接では伏せておきましょう。
看護師であれば命に関わるプレッシャーはつきもので、もしそのプレッシャーが少ない職場だとしても、看護師として頼りない印象をもたれてしまいます。
命に関わるプレッシャーは、医師や看護師だけが理解でき、みんな同じ気持ちです。
面接では伏せておき、あくまで前向きな退職理由を答えるとよいです。
5)家庭の事情
看護師は一生続けられる仕事です。
長い人生の中で、結婚、出産、子育て、パートナーの転勤、介護など、家庭の状況が変化してくることも多いです。
看護師は経験値さえあれば(もしくは経験値がなくても)、様々な職場で需要があるため、ライフステージに合わせて転職する人も多いです。
この家庭の事情も退職理由の1つとなります。
面接での答え方
これは正直に伝えて問題ありません。
面接官としては、当院で働くのに支障がないかどうか、応募者が考えている働き方に当院がマッチするかどうか確認できれば、マイナス評価をすることはないです。
もしそれが理由で不採用になるのであれば、その職場には転職しないほうが賢明です。
6)通勤がつらい
仕事内容のほかに、通勤の負担はなかなか無視できないものです。
毎日の満員電車や渋滞にはまっての車通勤は、ストレスが溜まりますよね。
職場の近くに引っ越すという手もありますが、なかなかそうもいかないこともあります。
できれば、もう少しアクセスのいい職場に転職を考える人も多いでしょう。
面接での答え方
新しく職場に応募する前に通勤が楽なことは確認済みだと思いますし、あえて面接官に確認することでもないので、これは正直に言うのは伏せておきます。
通勤の問題は毎日の積み重ねで地味につらいですが、味わったことがない面接官だと「通勤くらいでつらいなんて。。仕事はもっと大変なのに。。」と理解してくれない可能性もあります。
あくまで前向きな退職理由を用意しておきましょう。
退職理由や志望動機はスキルアップや希望先の病院にしかない配属先への希望、理念や基本方針に感銘を受けてなど、どこまでも前向きな理由で最後まで通した方がよいです。
ここは面接官も深堀りしてきますので、準備しておくことが大切ですね。
面接での退職理由の回答例
ここでは、面接での回答例をご説明します。
この回答例に具体的な仕事内容、なぜその仕事がしたいのかを追加して答えていただければと思います。
例1
御院は○○に力を入れていると聞き、御院でしかできない仕事に携わってみたい、1から新しい技術などを学んでみたいという気持ちがどうしても強くなったためです。
例2
新しい環境で1から技術を学び、看護師としてのスキルアップをしたいため退職を考えています(or退職しました)。
特に御院の○○科で、○○な仕事を経験したいと考えています。
例3
御院では〇〇の診療科があり、以前から働いてみたいと思っていました。
今回求人があることを知り、前の職場(今の職場)では経験できない仕事にチャレンジしてみたくて御院を志望しました。
看護師は退職理由を職場にどう伝えれば良いか
ここでは、看護師は退職理由を職場にどう伝えれば良いかご説明します。
給与や待遇に不満がある場合
給与や待遇に不満があるという理由は、職場へは伝えるのはやめておきます。
退職する前に伝えても今さら問題は改善しませんし、退職理由を知った同僚もあまりいい気持ちにはならないからです。
また、上司には気を使って給与や待遇の不満を伏せておき、仲の良いスタッフには本音を言ってしまうのもやめておいたほうが良いです。
必ず噂は回ります。
退職までギクシャクした関係で仕事をするのも辛いです。
全員に統一した退職理由を伝えるのがベストです。
人間関係にうんざりの場合
人間関係の理由も職場へは伝えるのはやめておきます。
合わない上司や同僚と退職日までしばらく一緒に働くことになりますし、どこからか本人たちに伝わってしまった場合、人間関係が余計面倒になる可能性もあります。
また、看護師として別の医療機関に転職を予定している場合、新しい職場に人間関係で揉めて退職したなどと噂を流されても困ります。
看護師業界は意外と狭いです。
気をつけるにこしたことはありません。
体力的にきつい、命に関わるプレッシャーの場合
これは職場へ正直に伝えても問題ありません。
他の誰でもなく自分自身の問題ですし、同僚も少なからず同じ悩みを抱えているはずです。
また、年齢などによる体力の問題は誰しも避けられないもので、それを否定する人も、マイナスに受け取る人もいないです。
家庭の事情、通勤がつらい場合
これは自分がよければ職場へ伝えても問題ありません。
誰しも少なからず家庭の事情はありますし、ライフステージが変化することで他人事ではなくなることもあるため、理解が得られることが多いです。
通勤の問題も共感されることは多く、伝えても問題ないですね。
また、家庭の事情も通勤の問題も、職場の同僚が状況を変えることはできないため、退職するのを引き止める人も少ないです。
退職に関わる手続き
ここでは、退職に関わる手続きについてご説明します。
退職の手順
1、職場の師長もしくは上司に退職したい旨を口頭で伝え、退職日を調整します。
2、退職願を師長もしくは上司に提出します。
3、退職が認められたら職場の規則に従って退職届を提出します。
退職願を提出する時期
退職願を提出する時期は、社会常識的には遅くとも1か月前となります。
円満に退職するのであれば、2〜3か月前がよいです。
また、退職願の時期は職場の規則によって決まっている場合があるので、必ず確認しておきましょう。
退職願と退職届の違い
退職願…退職したい旨を願い出る書類
退職届…職場に退職が認められた後に出す書類
退職願の例文
まとめ
・退職理由は本音と建前を使い分けると退職がスムーズにできる
・面接や職場で退職理由の本音は伏せた方がいいこともある
退職理由を面接時や職場でスムーズに伝える方法をご説明しました。
あなたの看護師人生が充実したものになるよう願っています。
執筆者情報:裕美の転職研究所
ナース裕美(緒方 裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務。今はフリーランス。
所在地
東京都
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電話番号:
Email:nursehirocom@yahoo.co.jp
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