消化器科の看護師の仕事内容は??
求人はどうやって探せばいいの?
そんな疑問にお答えします。
消化器科は外科と内科があります。
消化器外科は口腔から肛門までの消化器官すべてを対象としている診療科の外科病棟で、看る臓器の数が多く、様々な疾患の患者さんがいるため必然的に学習することは多くなります。
また、外科病棟なので手術の入退室が多く忙しいですが、特別な手当はないため給与は平均的となります。
消化器外科の求人は、主に大学病院や総合病院となり求人数としては少ないため、できるだけ求人情報を集めて、良い条件の転職先を見つけたいですね。(クリニックは消化器科としての求人が多いと言えます。)
消化器内科は口腔から肛門までの消化器官すべてを対象としている診療科の内科病棟で、看る臓器の数が多く、様々な疾患の患者さんがいるため必然的に学習することは多くなります。
また、内科病棟なので看護師一人あたりで担当する患者数が多いため忙しいですが、特別な手当はないため給与は平均的となります。
消化器内科の求人は、大学病院や総合病院もしくはクリニックどちらを選ぶかで、給与などの条件にかなり差が出てきますし、労働環境も職場によって様々です。
求人数としては平均的なので、できるだけ求人情報を集めて、良い条件の転職先を見つけたいですね。
この記事では看護師の私が、消化器外科の看護師の仕事内容やメリット・デメリット、求人の探し方をご説明します。
あなたの転職活動の一助になれば幸いです。
この記事の執筆者
ナース裕美(緒方裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務後独立。現在はキャリアアドバイザーとして活動中。
保有資格は「看護師免許」、「職業紹介責任者(番号:001-220124001-05302)」
『ナース裕美の看護師転職サイト早わかり解説』(Kindle)著者。
看護師としての視点から、転職に役立つ記事作成をしています。
当メディアは厚生労働省が規定している職業紹介責任者が監修しています。
消化器科の看護師の仕事内容
消化器外科
点滴管理
消化管の疾患のため術前より絶飲食である患者さんも多く、点滴や中心静脈栄養で水分・栄養管理をしている方が多いです。
そのため点滴準備から滴下管理まで確実に行う必要があります。
また、管理する点滴数も多いため確認を徹底し、ミスのないようにしていく必要があります。
検査データより必要な栄養素をアセスメントし、医師と共に点滴内容について議論することもあります。
経管栄養チューブの管理
前述の通り、絶飲食の患者さんには必要時経管栄養チューブから栄養を注入することもあります。
看護師はチューブの挿入から管理を行います。
挿入の際は患者が苦痛を感じることのないようにするために、確実な手技が必要となります。
術前後ともに栄養を注入することで、消化器症状が出現する可能背が高いです。症状の有無を確認しながら確実に栄養を投与できるようにしていきます。
ドレーン類の管理
手術後はドレーン類が挿入されていることが多いです。
ドレーンからの排液の量や色の観察、挿入部の異常の有無の観察などを行います。
あまりにも長期間ドレーンが挿入されていると感染のリスクも高くなります。
感染兆候にも注意をはらっていきます。
ストマ管理
人工肛門(ストマ)造設に向けてのオリエンテーションからマーキング、造設後の管理を行います。
また、退院に向けてストマ交換の手技を指導したり装具を準備したりと、ストマに関する全般を管理します。
ストマを増設することは患者さんのボディイメージの変化に繋がります。
なかなか現状が受け入れられない患者さんもいます。
患者さんが前向きに受け止められるまで、根気よく関わっていくことが大切です。
日常生活援助
術前の患者さんは自立度が高い人がほとんどです。
そのため介助量も少なくなります。
術後は早めに離床を開始するため、離床介助やドレーン・点滴挿入中の清拭や歩行介助を行います。
離床時は循環動態の変化も起こりやすいため、気分不快の有無や顔色などを観察しながら介助していきます。
また、術後の初回シャワー時には看護師が付き添い、安全を確保します。
生活指導
入院患者さんに対しての食事制限、水分制限の指導、退院していく患者さんに向けての禁酒・禁煙指導、食事制限の指導を行います。
中高年の方の入院が多いため、長期に渡る喫煙や飲酒の習慣を改善してもらうことは容易ではありません。
繰り返し、根気強く指導していくことが必要となります。
安全管理
経管栄養チューブの自己抜去はよくある看護事故です。
再挿入はまた苦痛が伴うものになるので、なぜ抜去してしまうのかをアセスメントし、抜去予防を施す必要があります。
また、術後はルート・ドレーン類が多いため離床時の誤抜去、転倒にも注意する必要があります。
抗癌剤治療
消化器がんに対して、手術前後に抗癌剤治療を行うこともあります。
その場合は外科病棟で行います。
点滴治療中の観察、副作用の観察、副作用への対応を行っていきます。
消化器内科
点滴管理
消化管の疾患のため絶飲食である患者さんが多く、点滴や中心静脈栄養で水分・栄養管理をしている人がほとんどです。
点滴準備から滴下管理まで確実に行う必要があります。
また、管理する点滴数も多いため確認を徹底し、ミスのないようにしていく必要があります。
経管栄養チューブの管理
前述の通り絶飲食の患者さんには必要時経管栄養チューブから栄養を注入し、チューブの挿入から管理を行います。
挿入の際は患者が苦痛を感じることのないようにするために、確実な手技が必要となります。
また、栄養状態をアセスメントし、必要な栄養素が確実に投与できるよう医師や栄養士に相談をしていきます。
生活指導
消化器内科では患者さんに対する活動の制限はほとんどありませんが、食事などの生活習慣の指導に関わっていくことが多いです。
入院患者さんに対しての食事制限・水分制限の指導、退院していく患者に向けての禁酒・禁煙指導、食事制限の指導を行います。
中高年の方の入院が多いため長期に渡る喫煙や飲酒の習慣を改善してもらうことは容易ではありません。
繰り返し、根気強く指導していくことが必要となります。
安全管理
経管栄養チューブの自己抜去はよくある看護事故になります。
再挿入はまた苦痛が伴うものになるので、なぜ抜去してしまうのかをアセスメントし、抜去予防を施す必要があります。
吐血、下血への対応
消化管疾患には吐血、下血がつきものです。
まずは吐血、下血が起こらないようにアセスメントし対応していくことが必要です。
起きてしまったときはショックの有無など患者さんの状態をしっかり観察し、報告、処置を行っていくことが重要です。
抗癌剤治療
消化器がんに対しての抗癌剤治療を行います。
点滴治療中の観察、副作用の観察、副作用への対応を行っていきます。
消化器科看護師をするメリットデメリット
消化器科のメリット
検査データを読み解けるようになる
消化器疾患では採血データに異常が出てきます。
日々のデータを比べて、データから異常を早期に発見できるようになってきます。
データ管理に苦手意識を持っている看護師も多いです。
しかし、毎日のように多くの患者さんのデータと向き合っていると、おのずと検査値と症状・状態が結びついてきます。
医師と共に検査データをもとにカンファレンスができるようになってくると、消化器看護師として一人前です。
消化管全般の知識を得ることができる
消化器科は口腔から肛門までの全消化管が対象の診療科です。
学習することも多く、挫折しそうになることもあります。
消化管は全てつながっていると意識して一つ一つ学習していくことで、最後には知識が全て繋がるため、かなりの達成感を得ることができます。
ストマについての知識を得ることができる
人工肛門(ストマ)は消化器外科ならではの手技です。
ストマの種類から管理方法、装具に関することまで、多岐にわたり学ぶことができます。
ストマケアは独特です。
ストマについて詳しくなっていくことは転職の際も有利になります。
患者さんの回復を見られる
消化器外科では、手術前の状態から手術後、食事を開始する⇒退院へ、というように、回復の段階を見ていくことができるため、やりがいにつながります。
食べられなかった人、食べるたびに症状が出て辛そうだった人が食べることに喜びを見出せるようになるのです。
看護師のおかげ、とはいきませんが、やはり回復していく姿を見られるのは嬉しいものです。
がん治療の知識を得ることができる
消化器がんに対しての化学療法、手術についての知識を得ることができます。
それに伴い、化学療法の副作用についてや、副作用への対応について学ぶことができます。
癌治療は診療科によって使用する薬剤は変わってきます。
しかし、副作用への対応はほとんど変わりません。
他の診療科でも活かすことができる知識を得られることは、転職の際有利になります。
また、消化器外科の手術の範囲は多岐にわたるため、学べることも多いです。
消化器科のデメリット
学ぶことが多い
消化管全般についての解剖生理とそれぞれの疾患、治療について学ぶ必要があります。
範囲が幅広いため、はじめのうちは何から勉強すればいいのかわからず焦ってしまいがちです。
また、日々の業務に加えて勉強が必要なため、プライベートの時間を勉強に当てる必要があります。
忙しい
消化器科は忙しい病棟です。
紹介外科は手術の入退室、入退院も多く、術前は急変が起こることもあります。
検査も多いため、人の出入りが複雑です。
なんとなく病棟全体がバタついた雰囲気になっていることが多いです。
また、消化器内科も同様に忙しいです。
外科に比べて人の出入りは少ないですが、時間で投与する点滴や抗がん剤などが多いです。
抗がん剤の副作用で苦しんでいる患者さんも多いため、その対応でバタバタしている印象です。
消化器科看護師に向いている人の特徴
消化器外科
テキパキ行動できる人
外科系の特徴として入退院、入退室が多く、病棟内もバタバタしがちです。
マイペースに仕事をする、というよりも、周りを見ながら全体がスムーズに仕事をまわせるようにしていくことが必要です。
また、業務の優先順位をつけ、一つずつ確実に業務をこなせるテキパキした人に向いています。
コミュニケーションスキルが高い人
消化器外科では患者さんに対する生活指導は大切な業務の一つです。
長年の生活習慣を改善してもらうように、それぞれの患者さんに合わせたコミュニケーションスキルが必要になります。
また、手術や抗癌剤治療に対する不安や苦痛などを上手く表出してもらい、少しでも緩和していけるように寄り添っていくことも大切です。
アセスメント能力の高い人
検査データから異常を早期に発見するのはもちろんのこと、排液や排便などの異変にすぐに気づける観察力とアセスメント力が必要となります。
消化器内科
冷静沈着な人
突然の吐血や下血に焦らずに冷静に対応できる精神力が必要です。
コミュニケーションスキルが高い人
患者に対する生活指導は大切な業務の一つです。
長年の生活習慣を改善してもらうようにそれぞれの患者に合わせたコミュニケーションスキルが必要になります。
また、抗癌剤治療に対する不安や苦痛などを上手く表出してもらい、少しでも緩和していけるように寄り添っていくことも大切です。
アセスメント能力の高い人
検査データから異常を早期に発見するのはもちろんのこと、排液や排便などの異変にすぐに気づける観察力とアセスメント力が必要となります。
消化器科看護師の年収事情
消化器科看護師の平均年収は、一般的な看護師の平均年収と同等です。
病棟の場合は、夜勤があるため年収は上がり年収目安は500万円台です。
また、施設によって年収に差があるため、しっかりリサーチすることが大切です。
消化器科の看護師求人を探すには
消化器外科の看護師の求人数は少ない傾向があります。
消化器内科の看護師の求人数は平均的ですが、大学病院や総合病院もしくはクリニックどれを選ぶかで、給与などの待遇は異なってきます。
なので、転職サイトで求人をできるだけ集めてから、職場を探していきましょう。
転職サイトは一般には公開されていない、条件の良い非公開求人もありますので、必ずチェックしておきたいところです。
転職サイトも様々なものがありますので、選ぶ際は求人数が多いこと、利用者満足度が高いことを確認して失敗のないようにしてくださいね。
転職サイト選びが転職成功の鍵をにぎっています。
おすすめの転職サイトは以下の記事を参考にしてくださいね。
勤務先を選ぶときにチェックしておきたいこと
消化器科の給与、労働条件、福利厚生などは大学病院もしくは総合病院どちらを選ぶかによって、差がありますので、求人情報をじっくりリサーチすることが大切です。
転職してから後悔しないように、事前にチェックが必須な項目などを記事にまとめましたので、参考にして頂ければと思います。
まとめ
・消化器外科としての看護師求人数は少なめ
・消化器外科は看る臓器の数が多く、様々な疾患の患者さんがいるため学習することは多い
・外科病棟なので忙しいが、特別な手当はないため給与は平均的
じっくり求人を比べながら、ベストな職場を見つけたいですね。
あなたの転職が本当に満足いくものになるように願っています。
執筆者情報:裕美の転職研究所
ナース裕美(緒方 裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務。今はフリーランス。
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