ナース裕美です。
厚生労働省の看護系技官の仕事内容は??
看護系技官になるにはどうすればいい?
こんな疑問にお答えします。
厚生労働省に勤める看護師のことを看護系技官といいます。
看護系技官は国家公務員で、看護師と保健師または助産師の免許を有し、医療に関わる専門性と行政官としての専門性を活かして活躍する、技術系行政官のことを指します。
看護系技官が働く場所は、医療や保健・福祉に関係する厚生労働省で、厚生労働省内にある20以上の部署内に配置され、人数は約70名ほどいます。
採用は毎年若干名の場合が多く、その年により変動はありますが倍率は高いと言えます。
看護系技官は国家公務員となりますので、給与は俸給表により決められ、職位や入省年数で変わってきます。
※参考【国家公務員の俸給表(資料内12ページ)内閣府の資料より】r02_kyuyo.pdf (cas.go.jp)
この記事では看護師の私が、厚生労働省の看護系技官の特徴やメリット・デメリット、採用されるための方法をご説明します。
あなたの転職活動の一助になれば幸いです。
この記事の執筆者
ナース裕美(緒方裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務後独立。現在はキャリアアドバイザーとして活動中。
保有資格は「看護師免許」、「職業紹介責任者(番号:001-220124001-05302)」
『ナース裕美の看護師転職サイト早わかり解説』(Kindle)著者。
看護師としての視点から、転職に役立つ記事作成をしています。
当メディアは厚生労働省が規定している職業紹介責任者が監修しています。
看護系技官の仕事内容
看護系技官は、事務官や医系技官など一緒に施策を考えて、制度の改善や新たな制度を創設する仕事をしています。
施策を考えるうえで、実際の医療現場や地域の課題を的確に把握して分析することが必要とされ、看護系技官の現場感覚が求められます。
そのため、看護系技官は厚生労働省の各部署に配置されています。
それではまず、厚生労働省内各部署の看護系技官の仕事内容をご説明します。
厚生労働本省
1) 厚生科学課(大臣官房)
・研究開発・科学技術に関する総合的な企画や調整
人工知能やバイオテクノロジー等、政府の科学技術イノベーションの戦略策定に向けた調整を行います。
それらの科学的根拠となる研究成果が得られるように推進していくとともに、科学技術の創出や発展につなげられるよう、省内の他部署や他省庁と連携を図ります。
・公衆衛生上重大な危害が生じている、または生じる恐れのある原因不明の緊急の事態への対処
国民の生活を脅かす突発的な問題や、社会的要請の強い諸問題を解決するため、緊急に行政の対応が必要な場合に実施する研究を担当します。
2) 国際保健・協力室(大臣官房)
・保健・福祉分野にかかわる国際機関との連携・協力
ASEAN(東南アジア諸国連合)、APEC(アジア太平洋経済協力)、WHO(世界保健機構)等に関わる省内外の調整を行います。
・開発途上国への技術協力等の国際協力の推進
外務省・JICA等を通じ、開発途上国の制度構築や人材育成等の支援のための協力に関した業務を行います。
・日本の取り組み・貢献についての国際社会への発信
前述の各国際会議への対応を行います。
3) 医療安全推進室(医務局)
・医療施設及び地域等における医療安全文化の醸成
会議や研究事業において専門家や関係団体との意見交換のほか、臨床現場と行政の橋渡しとして、講演を通した普及・啓発活動を行います。
4) 在宅医療推進室(医務局)
・医療と介護の連携や機能強化のため、予算・制度・報酬の施策を講じる
在宅医療と訪問看護の推進のための事業に関する企画立案・運営・評価を行うとともに、在宅医療・介護の連携のために関係部署との連携調整を行います。
また、災害時に被災地の精神保健医療ニーズに対応するDPAT(災害派遣精神医療チーム)の活動支援や体制整備を行います。
5) 看護課(医務局)
・保健師、助産師、看護師および准看護師の確保に関する受給や定着促進
看護職員が働き続けるためのより充実した環境の整備、復職支援の企画・立案、医療需要を踏まえた推計方法の算出・検討を行います。
・養成に関わる教育や国家試験・免許に関する業務
看護基礎教育にかかる制度設計や検討会の運営を行います。
・今後職員に関する基盤となる制度に関わる業務
看護職員に関する政策立案。看護行政に関する情報発信も行います。(Facebook やTwitter)
6) 看護サービス推進室(医務局)
・看護サービスの向上に関する施策の企画・立案
看護系技官が施策の企画・立案をほぼ行います。
新人看護職員研修や特定行為研修などの看護職員の研修にかかわる施策、看護業務効率化を推進する施策等を企画・立案します。
・看護職員による質の高い看護サービスの提供を推進
事業内容に応じて研修会等の開催支援や制度普及のための広報活動、臨床の声を政策に反映させるための検討会の運営を行います。
看護業務の高度化・専門化の推進のため、看護職員の研修医や特定行為研修制度についての取り組みを行います。
7) 治験推進室(医務局)
・臨床研究法、倫理指針の策定・運用
日本発の革新的医薬品・医療機器の創出を推進し、一日も早くよりよい医療を届けられるよう、治験・臨床研究の実施体制を整備するための施策を行います。
8) 健康課(健康局)
・生活習慣病の予防、国民の健康保持増進に関する業務
国民の健康に対する意欲を醸成するためのイベント開催の企画・立案を行います。また企業等における生活習慣病予防や健康増進に関わる取り組みを行います。
9) 保健指導室(健康局)
・自治体の保健師等がおこなう保健指導に関する企画・立案・指導
保健師が地域で効果的な活動を行えるように人材育成や保健活動の企画・運営などの支援を行います。
また、定期的に特定保健指導についてや、地域保健と職域保健の連携についての検討を行い、支援します。
大規模災害時、被災自治体からの要請にもとづき全国の自治体保健師等の応援派遣の調整を行います。
10) 予防接種室(健康局)
・予防接種制度についての検討、予防接種の円滑な実施
予防接種に関する施策立案の始めの段階から関わります。
論文・調査等の基礎資料の確認、必要な調査の実施、審議会に必要な資料の作成や調整を行います。
これらの業務のため、多岐にわたる学問分野・企業・自治体・医療機関との連携を図ります。
11) がん・疾病対策課(健康局)
・がん対策推進基本計画の推進
がん対策を総合的かつ計画に推進するため、がん看護に携わる看護師の育成、医療従事者に向けて行う研修会の企画・運営を行います。
12) 移植医療対策推進室(健康局)
・移植医療の定着のための方策の検討
移植医療についての理解を深めるため、パンフレットを作成し全国の中学校に配布します。
臍帯血移植や造血幹細胞移植についての体制を整備するための方策を立案・検討を行います。
13) 産業保健支援室(労働基準局)
・労働安全衛生法に基づき、労働者の安全・健康を確保し、快適な職場環境を整えるための施策
職業性疾病の予防、労働者の健康確保のため、職場の労働衛生管理体制の整備と充実を図ります。
労働者の健康診断と健康管理の促進のための施策、事業者が行う産業保健活動の支援のための事業の検討を行い、企画・立案・実施・指導・評価まで行います。
14) 虐待防止対策推進室(子ども家庭局)
・子どもが虐待発生予防、早期発見・早期対応、その後の継続的支援に必要な対策の企画・立案
子ども虐待が起こらないために福祉・医療・保健のよりよい連携に向けて関係職員との議論をすすめ、必要な施策の企画・立案を行います。
また、地方自治体に対して、子ども虐待における保健分野に関する専門的助言・指導を行います。
・虐待事例の把握・検証
子ども虐待による死亡事例等を検証します。
15) 母子保健課(子ども家庭局)
・生育基本法、母子保健法、母体保護法に基づく各種施策の立案・実施
「健やか親子21」の推進、市町村が行う妊娠期から子育て期にわたる継続した支援を提供する子育て世代包括支援センターや産後ケアの全国展開、妊産婦と乳幼児の健康に関わる施策を行います。
また、現場と施策をつなげる役割を担っています。
16) 福祉人材確保対策室(社会・援護局)
・社旗福祉士や介護福祉士をはじめとした福祉人材の基礎教育及び人材育成、人材確保などの施策
福祉サービスに従事する人が看護師をはじめとする医療職とよりよい連携を図れるようにする仕組みづくりを行います。
また、介護職員が実施する医療的ケアを安全に提供できる制度の運営をおこない、サービスを受ける人・家族が安心して安全で健やかな生活を送れるような社会の構築に携わります。
17) 障害児・発達障害支援室(社会・援護局)
・障害者が地域で生活するために必要な支援の推進
看護系技官は主に医療的ケア児に対する支援を担当します。
地域で生活する医療的ケア児と家族の生活を支える、医療・保健・福祉・教育等における受け入れ態勢の構築のため、各分野の機能を理解し、連携・調整を図ります。
18) 精神・生涯保健課(社会・援護局)
・精神障害者の保健・医療・福祉にかかる施策の推進
精神障害者が地域の一員として安心して自分らしい暮らしを送ることができるように施策を推進します。
そのための事業の企画・推進、各自治体に向けた会議の開催、研究事業の企画、検討会の開催などを行います。
19) 心の健康支援室(社旗・援護局)
・てんかん、摂食障害、高次脳機能障害、PTSD等への対策・支援
障害福祉計画や医療計画等を踏まえ、精神保健福祉士や公認心理師の養成等やてんかん、摂食障害、高次脳機能障害やPTSD等に関する施策の企画立案、各省庁等との調整などを行います。
・被災地の心のケアに関する業務
20) 認知症施策推進室(老健局)
・認知症施策の実施
認知症ケアに携わる医療・介護分野の認知症対応力向上を図るための人材育成。認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護の提供のために、早期診断・早期対応の推進。これらが適切に行われるよう、各自治体のシステム作りを推進します。
21) 高齢者支援課(老健局)
・高齢者向け住まいの整備や運営、介護報酬
施設における看取り介護の推進、ユニットケアの推進等による質の高い介護サービスの提供を推進。感染症や食中毒の予防・まん延防止、事故発生またはその再発の防止、制度推進のための研究事業の企画、運営を行います。
・高齢者の虐待防止に関する職員向け研修
22) 振興課(老健局)
・地域包括ケアシステムの構築
介護予防、日常生活支援総合事業、地域包括支援センターの運営をはじめとする地域支援事業の推進、企画・立案、それらの支援事業における地域づくりに携わる各自治体の職員に対する研修の企画・運営を行います。
23) 老人保健課(老健局)
・社会保障審議会、訪問看護、要介護認定、介護予防、在宅医療と介護の連携の推進
看護系技官は主に訪問看護、介護予防と在宅医療・介護連携推進に関する事業を担当。制度の運営・介護報酬改定のための企画提案、介護報酬上の評価についての研究調査事業の企画・審査を行います。
また、制度推進のための様々な研修の企画・運営を行います。
24) 国民健康保険課(保険局)
・市町村国保における保健事業に関する企画・立案、保健事業の推進
生活習慣病重症化予防の推進に対しての支援。効果的・効率的な保健事業の実施を図るための保健事業の実施計画の策定・実施・評価を推進するとともに財政支援を行います。
25) 高齢者医療課(保険局)
・高齢者の健康づくりの方策づくり
後期高齢者医療広域連合および市町村が連携して保健事業を進められるよう制度設計の推進を行います。
26) 医療費適正化対策推進室(保険局)
・特定健康診査・特定保健指導の運営支援、円滑な実施に向けた体制整備
特定健康診査・特定保健指導の実施状況の把握、特定保健指導等の効果検証や制度運営上の課題の把握を行います。
関係部署・機関と連携し、効果的な特定保健指導をはじめとした保健事業の方策を検討します。
27) 医療課(保険局)
・社旗保険診療報酬、訪問看護療養費に関しての改定や監督
診療報酬や訪問看護療養費の改定にあたって、より安全かつ質の高い医療・看護を提供できるよう、実態把握のための調査の実施・分析、医療現場の視察を行い、議論に向けたエビデンスの準備や提案を行います。
28) 医療指導監査室(保険局)
・保健医療機関への指導・監査
全国47都道府県の大学病院などの保健医療機関の指導に同行、看護配置の基準など看護関係の基準についての指導を行います。
地方厚生局
1) 健康福祉部医事課
・公衆衛生上重大な危害が生じている、または生じる恐れのある原因不明の緊急の事態への対処
国民の生活を脅かす突発的な問題や、社会的要請の強い諸問題を解決するため、緊急に行政の対応が必要な場合に実施する研究を担当します。
・医療の安全に関する取り組みの普及・啓発
医療事故に関する調査を行います。
また、医療事故発生予防、再発予防に関するセミナー・シンポジウムの開催立案・運営を行います。
・看護師の特定行為研修の指定研修機関の指定にかかわる審査・指導
在宅医療等の推進を図るため、医師や歯科医師の判断を待たずに、手順書により一定の診療の補助を行う看護師を養成・確保するため、研修制度を創設、研修機関の審査および研修のための指導を行います。
・災害時における医療の確保の支援
2) 医療課
・特定機能病院及び臨床研究中核病院に対する立入検査
承認を受けた特定機能病院及び臨床研究中核病院が、法令により定められた人員及び構造設備を有し、適切な管理が行われているかを検査します。
不適切である場合は指導等を通じて改善を図ります。
書面調査・現場確認を行います。
・保険医療機関・保険薬局及び保険医・保険薬剤師等に対する指導監査
指定訪問看護の質的向上及び適正化を目的とし、指定訪問看護事業者及び指定の訪問看護事業所の看護師、その他の従事者に対しての指導及び監査を行います。
独立行政法人等
1) 内閣官房新型インフルエンザ等対策室
・新型インフルエンザに関しての調査・対策の検討・整備、情報発信
新型インフルエンザに関しての調査を行い、関係機関と協力し、対応を検討します。
また、ホームページにて事業者向けや自治体向けの対策について情報を公開し、対策の周知を行います。
2) 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課
・特別支援教育総合推進事業
特別支援教育の体制整備の推進を行います。
厚生労働省との連携による乳幼児期から就労まで一貫した支援を行うモデル地域の指定などを実施することにより、学校(幼小中高特)の特別支援教育を総合的に推進します。
また、都道府県や推進地域に厚生労働関係者とも連携する連携協議会を設置し、法律に明記された特別支援学校のセンター的機能のさらなる強化、学生支援員の活用、地域住民へのきめ細やかな理解推進、学校における支援体制の整備等を実施します。
3) 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
AMEDは、医療の分野における基礎から実用化までの研究開発が切れ目なく行われ、その成果が円滑に実用化されるよう、大学や研究機関などが行う研究を支援し、研究開発やそのための環境の整備に取り組んでいます。
・医療分野研究開発推進計画に基づき研究開発を推進
医薬品、医療機器・ヘルスケア、再生・細胞医療・遺伝子治療などの6つの統合プロジェクトがあります。
基礎研究から実用化まで一貫した研究開発をおこない、成果を一刻も早く患者さんに届けられることを目標としています。
4) 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)
PMDAは、医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染等による健康被害に対して、迅速な救済を図り(健康被害救済)、医薬品や医療機器などの品質、有効性および安全性について、治験前から承認までを一貫した体制で指導・審査し(承認審査)、市販後における安全性に関する情報の収集、分析、提供を行う(安全対策)ことを通じて、国民保健の向上に貢献することを目的としています。
・健康被害救済
HIV感染者、エイズ発症者に対する健康管理費用などの受託給付や、血液製剤被害に関する給付金の支給等などの医薬品副作用被害救済に関する業務を行います。
・審査
地検などに関する相談受付。医薬品・医療機器・再生医療等製品などの承認審査。承認申請資料などの内容に関する信頼調査。
・安全対策
製造販売業者又は医療機関からの副作用などに関する情報の収集・整理。医薬品・医療機器・再生医療等製品に関する情報提供。
5) 独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)
独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)は、病院、介護老人保健施設、訪問看護ステーション等の運営を行い、5事業(救急医療・災害医療・へき地医療・周産期医療・小児医療)、5疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患)、リハビリテーション、その他地域において必要とされる医療および介護を提供する機能の確保を図り、公衆衛生の向上や住民福祉の増進等に寄与することを目的として設立された団体です。
・地域医療における医療連携の取り組み
地域医療、地域包括ケアの中心として地域において必要とされる医療・介護の確保を図り、地域住民が安心して暮らせる地域づくりを推進します。
地域の病院・診療所との患者紹介・逆紹介を推進。地域連携クリティカルパスの取り組みを推進。地域の医療従事者及び地域住民に対して定期的に研修を開催。
・5事業5疾病
前述の5事業5疾病についての支援を行います。
・健診
特定健康診査・特定保健指導をはじめとする予防・健康管理対策の実施。良質で安心な医療を提供するため、多職種間の共同に基づくチーム医療の推進。医療の質・機能向上を図るため、標準的臨床評価指標を定めていきます。
・医療安全
感染管理について・医療安全についての指針を制定、周知します。
・患者・利用者満足度調査
サービス向上のため、全ての病院・介護老人保健施設において、年1回「患者・利用者満足度調査」を実施し、調査結果を発信します。
看護系技官のメリットデメリット
ここでは厚生労働省の看護系技官のメリット、デメリットをご説明します。
メリットデメリットをよく確認して、転職の参考にしてくださいね。
看護系技官のメリット
安定した給与と福利厚生を得られる
厚生労働省の看護系技官は国家公務員となります。
公務員は昇給が毎年ありますので、勤務年数が長くなるにつれ年収も上がります。
また、厚生労働省は民間の働き方改革を推進している部門でもあるため育児休業や時短勤務など職員の労働に関わる権利も守られていると言えます。
基本給に加え、通勤手当や超過勤務手当などの手当ても支給されます。
給与・年収は年齢、昇給により変わってきます。
具体的な金額は厚生労働省の俸給表で確認できます。
資料の12ページに俸給表の記載がありますので、確認してくださいね。
厚労省の資料r02_kyuyo.pdf (cas.go.jp)
子育てと両立できる
育児休業や育児短時間制度があるので、育児をしながらキャリアを積むことができます。
子育てをしながら勤務している職員も多数います。
ワークライフバランスが取れる
厚生労働省では、ワークライフバランスの推進に取り組んでいるため、様々な制度があります。
育児に関する制度では、保育時間や育児休業、育児短時間・育児時間、女性職員には深夜勤務及び時間外勤務の制限や業務軽減、通勤緩和、産前・産後休暇、男性職員には配偶者出産休暇や育児参加のための休暇などがあります。
また、フレックスタイム制や年休取得促進、テレワーク、超過勤務の縮減、定時退庁、介護休暇、介護時間など他にも様々なワークライフバランス実現の取り組みをしているため、プライベートの充実を図りながら仕事にまい進できます。
制度の立案や制定に関わることができる
自分自身の臨床での経験を活かしながら、他の専門職の人たちと協力し、社会に必要な政策を作ることに関わることができます。
メンター制度があるため安心
看護系技官のメンター制度が導入されているため、慣れない仕事でも先輩職員に相談することができます。
政策立案などの仕事と聞くと、とても難しい仕事でこなせるか心配になるかと思いますが、このメンター制度で安心して仕事を覚えることができます。
※メンター制度とは…経験豊かな先輩職員(メンター)が後輩職員(メンティ)の課題解決や悩みの解消を助けて、成長のサポートをする役割を果たす制度です。
看護系技官のデメリット
地方や海外への転勤の可能性がある
家庭の事情は考慮されますが、地方や海外への転勤もあります。
また、様々な部署での知識・経験を積むために関係部署内での異動もあります。
環境が変わることが苦手な人は苦痛を感じてしまうでしょう。
看護技術を提供することはない
看護系技官の仕事は厚生労働省での新たな政策を生み出すことであり、看護技術を使う事や患者さんとの触れ合いはありません。
看護師の資格を活かして違う職場で働きたいという人、違う職種の人たちと協力して仕事をしていきたい人には適した仕事ですが、看護師本来の医療者としての仕事はほぼありません。
看護系技官に向いている人
ここでは、看護系技官に向いている人をご説明します。
制度設定により医療・福祉現場を良くしたいと考えている人
臨床での経験から法律や政策に対して疑問を持ち、それを良くしていくためにはどうしたらよいかを考えていくことが必要です。
柔軟な発想ができる人
看護系技官は医療・福祉分野で活躍することが多いですが、それ以外の様々な分野の課題に対しても興味を持ち、論理的に考え、柔軟な発想で対応していくことが必要です。
協調性がある人
医療従事者のみではなく多くの専門職の人、関係部署の人と関わっていく必要があります。
うまく現場に溶け込むための協調性は必須となります。
看護系技官になるには
厚生労働省の看護系技官になるには、厚生労働省のホームページの採用情報を確認し、期日までに小論文と履歴書などを送付して応募します。
一般的な教養試験などの公務員試験を受ける必要はなく、小論文と面接試験のみとなります。
例年9月中旬までに応募、1次試験(小論文)が9月下旬、2次試験(個別面接)が11月中旬のことが多いようです。
詳細は以下に記載してある厚生労働省のホームページで確認してくださいね。
応募資格
・日本国籍を有する者
・看護師免許を取得している者であって、かつ保健師免許又は助産師免許を取得又は取得見込みの者
・看護系大学を卒業している者又は看護系大学院修了(見込みを含む)の者
・看護に関する業務(修士課程の期間を含む)経験を採用時点で7年以上有する者
・看護行政の業務に理解を示し、意欲のある者
※公務員試験を受ける必要はありません。
※専門的な分野の知識や経験がある認定・専門看護師や大学院修了者が募集要項の要件となる場合もあります。
選考方法
・一次試験:小論文
令和3年4月採用の小論文の課題は、「業務経験を踏まえ厚生労働省で取り組みたいこと」800字程度でした。
・二次試験:個人面接
※年二回看護系技官業務説明会やインターンシップが開催されています。
【厚生労働省のホームページ】
採用者数
採用は毎年若干名(3~4人)の場合が多く、その年により変動はありますが倍率は高いと言えます。(倍率は現在公表されていません。)
最近の採用人数は令和2年4人、平成31年度3人、平成30年度3人、平成29年度4人、平成28年度5人です。
まとめ
・看護系技官は国家公務員で、看護師と保健師または助産師の免許を有する技術系行政官
・看護系技官が働く場所は、医療や保健・福祉に関係する厚生労働省で、厚生労働省内にある20以上の部署内
・採用は一般的な教養試験などの公務員試験を受ける必要はなく、小論文と面接試験のみ
厚生労働省の看護系技官について、ご説明しました。
あなたの転職が本当に満足いくものになるように願っています。
執筆者情報:裕美の転職研究所
ナース裕美(緒方 裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務。今はフリーランス。
所在地
東京都
お問い合わせ
電話番号:
Email:nursehirocom@yahoo.co.jp