血液内科の看護師の仕事内容は??
血液内科の看護師の求人はどうやって探せばいいの?
そんな疑問にお答えします。
血液内科とは、内科の病気の中で血液や骨髄、リンパ腺に起こる病気、特にいろいろな貧血(鉄欠乏性貧血、悪性貧血、溶血性貧血など)、出血傾向、血液やリンパ腺のがん(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫)などを担当する診療科です。
血液内科は専門医が少ないことや設備の面から、中病院やクリニック・診療所にはなく、総合病院のような大病院にしかありません。
そのため、求人は少ない傾向にありますが、給与は平均的かそれ以上となります。
この記事では看護師の私が、血液内科の看護師の特徴やメリット・デメリット、求人の探し方をご説明します。
あなたの転職活動の一助になれば幸いです。
この記事の執筆者
ナース裕美(緒方裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務後独立。現在はキャリアアドバイザーとして活動中。
保有資格は「看護師免許」、「職業紹介責任者(番号:001-220124001-05302)」
『ナース裕美の看護師転職サイト早わかり解説』(Kindle)著者。
看護師としての視点から、転職に役立つ記事作成をしています。
当メディアは厚生労働省が規定している職業紹介責任者が監修しています。
血液内科の看護師の仕事内容
一般的な病棟業務
バイタルサインの測定や清潔ケア、排泄ケアなどを行います。
バイタルサインをしっかりと確認し、異常の早期発見・対応に努める必要があります。
また、清潔ケアにおいては皮膚の状態、点滴挿入部の状態を確認することも必要です。
血液内科の患者さんの自立度は人により異なります。
自分で動ける人もいれば、全介助の人もいます。
それぞれの患者さんの自立度に合わせた介助方法を工夫していきます。
無菌室業務
採血データで白血球の減少がみられた場合は無菌室に入室することがあります。
看護師も無菌室で各種作業を行うことになりますので、清潔動作を確実に行うことが求められます。
検査や治療の説明
血液内科の検査や治療については不安を伴うものが多くあります。
検査・治療の必要性や方法などを説明していきます。
患者さん一人一人の理解度を把握し、確実に理解してから検査・治療に臨めるよう工夫をしていきます。
また、検査や治療について、確実な知識を身につけ、どんな質問に対しても答えられるようにしておく必要があります。
抗がん剤の副作用への対応
血液内科の治療では、抗がん剤を使用することがあります。
抗がん剤治療と副作用は切り離して考えることはできません。
・吐き気や食欲不振:食事形態の調整や食事量の変更
・脱毛:ベッド環境の整備と帽子の着用
・下痢や便秘:医師に相談のもと薬剤の使用
・感染症:清潔ケアの徹底や無菌室の使用
・その他の副作用:データの確認をしたのち、医師と相談していくことが必要
このように、患者さんの苦痛が少しでも軽くなり、安楽に過ごすことができるようケアを行っていくことが重要です。
骨髄穿刺の介助
血液内科の検査で特徴的なのが骨髄検査です。
骨髄検査のためには骨髄穿刺が必要となります。
骨髄穿刺についての説明を患者さんに行い、穿刺の準備を行っていきます。
また、検査時は、医師の補助をしながら患者さんにも適宜声掛けをし、不安の軽減に努めます。
メンタルケア
血液内科においてメンタルケアは重要な業務の一つです。
患者さんも、ご家族も、治療や予後に対して不安を抱えています。
一人一人の患者さんとじっくりと向き合い、信頼関係を築き、患者さんの不安や恐怖と寄り添っていくことが大切です。
血液内科看護師をするメリットデメリット
メリット
専門性の高い知識・技術を得ることができる
血液疾患に対しての化学療法や骨髄移植など、血液内科でしか学べないことは多いです。
また、最先端の医療技術を導入することも多い診療科であるため、スキルアップしたい人にとっては最適な職場と言えます。
生活習慣病の増加とともに、血液系の疾患も増えているので、血液内科の経験は転職にも有利となります。
精神的ケア技術を高めることができる
血液内科では精神的ケアは看護師の重要な業務の一つです。
「緊急入院患者さんに対しての精神的ケア」
「長期入院患者さんに対しての精神的ケア」
「入退院を繰り返している患者さんに対しての精神的ケア」
など、様々な場面においてのケアを学ぶことができます。
また、どの患者さんも血液疾患という命に直接かかわる疾患に対しての恐怖心を抱いています。
治療の副作用による不安・ストレスも多いです。
それらの精神的ストレスに対しての関わり方を模索しながら仕事をしていくことになります。
メンタルケアはどの診療科でも必要なスキルです。身につけることで、看護師としての強みになります。
デメリット
残業が多い傾向がある
血液内科は難病の患者さんが多く、治療自体も体への侵襲が大きいものになります。
検査も多いです。また、無菌室での業務は出入りだけでも時間がかかります。
一つ一つの処置に時間が必要となってしまいます。
また、急変が起きる可能性も高いです。
その分残業も多くなりがちです。
患者さんとのコミュニケーションが難しい
血液内科では難病と長期で戦っている患者さんが多くいます。
治療の効果が表れにくい。
効果を実感できない。
また、治療による副作用で精神的にも肉体的にも追い詰められていることは少なくありません。
体の辛さから死への恐怖を抱き、精神的に不安定になりやすいためコミュニケーションを図るのが難しくなりがちです。
だからこそ患者さん・ご家族としっかりと向き合い、話を傾聴し信頼関係を築いていくことが重要なのです。
血液内科看護師に向いている人の特徴
コミュニケーションスキルが高い人
血液内科では重い病状の患者さんが多いです。
また、病態が複雑で難しい病気も多く、自分の体に何が起こっているのかをなかなか理解できなかったり、入退院を繰り返していたりと、大きな不安・ストレスを抱えています。
看護師には、その精神的苦痛に寄り添い、支えになっていくことが求められます。
治療を始めても、副作用が辛く途中でやめてしまいたいと感じる患者さんもいます。
治療の効果がはっきりしないため、治療を続けること自体が苦痛と感じる患者さんもいます。
一人一人の患者さんとしっかりコミュニケーションを図り、少しの異常や変化にも気づいていけるスキルが必要です。
そして、血液内科では検査や治療についての説明をする場面が多くあります。
患者さんの理解度に合わせて説明方法を工夫していく必要があり、専門用語をかみ砕いて分かりやすく説明を行うスキルが必要となります。
学習することが好きな人
血液内科では骨髄移植など特殊な検査・治療が多いため、他の診療科での知識や技術をなかなか役立てることができないこともあります。
また、骨髄移植だけでなく。臍帯血移植や末梢血管細胞移植など、移植も多様化してきています。
治療もどんどん最新のものがアップデートされてきますので、後れを取ることなく学習を継続していかなくてはいけません。
そのような新しい知識・技術を積極的に学ぼうとする好奇心が必要です。
採血・点滴ルート確保が上手な人
血液内科では採血データによって治療方針が決まっていきます。
そのため、高い採血スキルは必須です。
また、点滴は抗がん剤治療のためのルート確保になります。
通常の点滴と異なり、抗がん剤が血管外へ漏出した際は組織破壊の可能性があるため、確実なルート確保が重要となります。
血液内科看護師の年収事情
血液内科看護師の年収は、一般的な看護師の平均年収と同等かそれ以上です。
それぞれの施設の年収事情をご説明します。
クリニック
クリニックの場合は、看護師の年収は施設の経営状態に左右されます。
また、クリニックは夜勤がないため、年収は400万円前後の職場が多いです。
病棟
病院の場合は、血液内科がある病院は大規模病院であることがほとんどのため、基本給が高めに設定されていることが多いです。
病棟は夜勤もあるため年収は高めとなり、年収500万円台の職場が多いです。
血液内科の看護師求人を探すには
看護師の転職サイトで求人をできるだけ集めてから、職場を探していきましょう。
看護師専門の転職サイトは一般には公開されていない、条件の良い非公開求人もありますので、必ずチェックしておきたいところです。
また、転職サイトも様々なものがありますので、選ぶ際は求人数が多いこと、利用者満足度が高いことを確認して失敗のないようにしてくださいね。
転職サイト選びが転職成功の鍵をにぎっています。
おすすめの転職サイトは以下の記事を参考にしてくださいね。
血液内科看護師の勤務先を選ぶときにチェックしておきたいこと
血液内科の看護師の給与や労働条件は、どこの病院を選ぶかで変わってきますので、求人情報をよく見極めて、良い条件の転職先を見つけたいですね。
転職してから後悔しないように、事前にチェックが必須な項目などを記事にまとめましたので、参考にして頂ければと思います。
まとめ
・血液内科は専門性の高い知識・技術を得ることができる
・血液内科は総合病院のような大病院にしかなく、求人は少ない傾向がある
・血液内科の看護師の給与は平均的かそれ以上
血液内科の看護師についてご説明しました。
あなたの転職が本当に満足いくものになるように願っています。
執筆者情報:裕美の転職研究所
ナース裕美(緒方 裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務。今はフリーランス。
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