今回は、看護師のリスクが高い転職6選をお話しします。
リスクが高い転職と聞いて、
「どんな転職が危ないのかな」
「できるだけリスクは避けたいな」
と思いますよね。
でも、正しい転職の方法は誰かが教えてくれるわけではないので、知らず知らずのうちにリスクの高い転職をしてしまう人もいます。
そうすると、給与が下がってしまったり、職場環境が悪すぎて辞めたくなってしまったりということも。
でも大丈夫です。
今日お話しすることを知っておくだけで、リスクが高い転職は避けることができます。
また、「事情があってリスクのある転職をすることになってしまった。。」こんなときの対処方法もあわせてご説明します。転職活動をする際の参考になればうれしいです。
この記事の執筆者
ナース裕美(緒方裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務後独立。現在はキャリアアドバイザーとして活動中。
保有資格は「看護師免許」、「職業紹介責任者(番号:001-220124001-05302)」
『ナース裕美の看護師転職サイト早わかり解説』(Kindle)著者。
看護師としての視点から、転職に役立つ記事作成をしています。
当メディアは厚生労働省が規定している職業紹介責任者が監修しています。
看護師のリスクが高い転職1)短い期間で転職を繰り返す
看護師は専門職であるとともに、全国的に人手不足なので、転職のハードルは低めです。
少し探せば求人はたくさん見つかりますし、売り手市場なので、転職する側が職場を選べる環境にもなっています。
でも、転職を繰り返している、それも短い期間ですぐに転職をしてしまっている、こんな場合は採用選考で不採用になる確率が上がってきます。
転職を繰り返す理由は、
「やりたい仕事ではなかった」
「職場の人間関係が悪すぎる」
「仕事がきつすぎた」
「残業が多すぎる」
など、施設側に問題があることも多いです。
ただ、短い期間で転職を繰り返していると施設の採用担当から、
「採用してもまたすぐ辞めてしまうのではないか」
「何か本人に問題があって離職しているのではないか」
という疑念を持たれてしまって、良い評価をしてもらえない場合も多いです。
採用側は、職場のスタッフとうまく関係を作れる人やある程度長く働いてくれる人を求めているので、転職を繰り返しているとどうしても採用に前向きになれないんですね。
また、短いスパンで転職をしている、ということで、
「自己分析や職場選びをしっかりできない人かもしれない。」
「うちの職場に合うかどうかしっかり確認しよう。」
と採用側の見る目が厳しくもなります。
このように短い期間で転職を繰り返すことは、採用選考で不利になってしまうのでリスクが高いです。
なので、転職して日が浅いのにまた転職するということは極力さけたほうが賢明です。
また、短い期間で転職を繰り返さないためにも、転職先を決める時には、給与や仕事内容、希望の働き方ができるのか、職場の雰囲気は自分に合っているのか、いろいろな角度から職場をチェックしていくことが大切です。
そして、転職して期間が浅いけどどうしても辞めたい、転職したい、精神的・肉体的に辛いという場合は、さらに転職することで問題が解決するのかどうかをしっかり考えたうえで、慎重に職場を探していきたいですね。
看護師のリスクが高い転職2)未経験分野への転職
看護師の業務は基本的に医師の診療補助と患者さんへの日常生活援助ですが、診療科や施設によって細かな業務が異なってきます。
また、看護師は経験年数を重ねる程、出来る業務も増えていきますし、知見も広がり、経験豊富な人は現場で重宝されます。
採用側としても喉から手が出るほど欲しい人材なので、今までの経験を活かせる職場への転職はハードルが低いです。
そして、経験のある分野に転職した場合、すぐに新しい職場にも慣れて、仕事をこなせるようになるので、転職後の満足度も高くなる傾向があります。
逆に未経験分野への挑戦はハードルが上がってしまいます。
同じ職場、同じ診療科で働いていた時間が長ければ長いほど、未経験分野へ転職するのは怖いですよね。
例えば、内科病棟から救急医療へ、病棟から手術室へ、となると全くの未経験分野になります。
未経験の分野へ転職すると、看護師としての基礎はあってもその職場では新人同様です。
「なかなか思うように仕事がこなせなくてやりがいを感じられない」
「挑戦したはいいものの適性がなかった」
「働き始めたら自分がやりたい仕事と少し違った」
など、想定外なことがおこるリスクもあります。
また、未経験分野だと今までの経験値が給与に反映されなくて、年収が下がってしまうリスクもあります。
私の知り合いでも病棟を辞めて未経験の美容クリニックに転職した人がいますが、全く違う仕事や職場環境のストレスでしばらくして辞めてしまいました。
転職においてのリスクを下げるには、今まで経験したことのある診療科や経験が活かせる職場から転職先を選んでいくことが大切ですね。
給与も経験年数が考慮されて、未経験の人よりも優遇してくれる職場も多いです。
そして、どうしても他の仕事をしてみたい、新しいことにチャレンジしてみたい、という場合は、仕事内容や職場環境が希望とマッチするのか、しっかり確認して転職先を選ぶことが大切です。
挑戦してみたい!という向上心が持てるのは素敵です。
未経験分野だと採用選考のハードルも上がりますが、今までの経験をどう活かしていけるのか。
未経験分野にも対応できる柔軟性を持っていることをしっかりアピールできれば採用されます。
なぜ未経験分野に挑戦したいのか、そこで自分はどんなことをしたいのか、自分の考えを整理しておくことが大切ですね。
看護師のリスクが高い転職3)経験年数が浅い転職
看護師は経験がものをいう仕事なので、転職においても、働き始めて1~2年の経験の浅い看護師より、経験値のある看護師の方が需要は高いです。
採用側も即戦力を求めていることが多いので、教育が必要な経験の浅い看護師よりも、ある程度一人で業務がこなせる看護師の方が採用されやすいです。
ただ、人手不足の施設や教育体制が整っている施設では、経験が浅くても積極的に採用する職場もあります。
でも、しっかり職場を選んでいかないと、
「転職したら給与が下がってしまった」
「人手不足で異常に忙しい職場だった」
など、前の職場より条件が悪くなってしまうリスクがあります。
また、教育体制が整っていない職場へ転職してしまった場合、十分なレクチャーをうけないまま業務をすることになって、ミスやトラブルを起こしてしまうというリスクもあるので、経験年数が浅いうちの転職はあまりおすすめできないです。
また、専門診療の施設や病院以外の職場は、ある程度の経験がないと務まらないので、経験が浅い看護師の転職先の選択肢はかなり狭いです。
もし、どうしても理由があって経験年数が1~2年の時期に転職を考えるなら、第二新卒歓迎の大規模施設やしっかりとした教育が受けられる職場を選んで応募していくことが大切です。
大規模施設では新卒のスタッフも多いので、研修制度が充実している傾向があります。
また、給与や福利厚生など、条件の良い施設も多いので経験の浅い看護師におすすめです。
採用選考では面接官に「職場を短期間で辞める人」というネガティブなイメージを持たれてしまうので、しっかり面接対策をして、ポジティブな転職理由を準備しておくことが大切です。
『失敗しない面接対策』や『面接官の採用基準』を解説した記事も参考にしてください。
看護師のリスクが高い転職4)給与だけを重視した転職
「転職をするなら今より給与を上げたい。」
そう考える人も多いです。
でも、給与だけを重視して転職先を選ぶと転職に失敗するリスクが高まります。
確かに給与額は転職先を決めるうえで大切なポイントです。
ただ、給与が良くても、働き始めてみたら、
「激務だった」
「業務量が多すぎて残業が多い」
「休みが取れない」
「希望する仕事が出来なかった」
なんてこともあります。
こんな職場に入職してしまうと働き続けることが難しくなってしまいますよね。
また、なかには、求人票には高給与と記載されているのに、「手当の支給条件を満たしていない」「経験年数が足りない」などの理由で、実際はそこまでの高給与を受け取れない、なんて施設もあります。
こんな施設を選ばないようにするためにも、実際にもらえる給与額を確認することはもちろん、働く環境や残業時間、休日数など、総合的に条件をチェックしていくことが大切です。
職場環境をチェックするには、
施設のホームページや口コミサイトをチェックする
施設見学をする
看護師転職サイトを利用している場合は担当アドバイザーに情報を集めてもらう
など、色々な方法があります。
しっかり給与以外の情報も比較しながら、希望にぴったりの職場を見つけていきたいですね。
看護師のリスクが高い転職5)緊急募集している施設への転職
急募!看護師求む!みたいな求人ってありますよね。
そんな緊急募集している求人に応募するのはリスクがある可能性があります。
緊急募集するということは、
大量に人が辞めてしまった。
急な退職者が出た。
新規オープンの施設で人が必要。
など、いくつか理由が考えられます。
その中でも、スタッフが大量に辞めてしまった施設は、過重労働や経営状態が悪いなど、何かしらの働くうえでの問題があります。
そんな施設に入職するのはちょっと勇気がいりますよね。
原因が取り除かれているならまだしも、そんなにすぐに問題が解消されているとは思えないので不安は募ります。
また、大量離職があったということは、かなりの人手不足に陥っていることも予想されるので入職してすぐに忙しくなることが目に見えています。
十分な説明や教育を受けられないまま即戦力として働くことにもなるのでリスクが高いです。
そして、新規オープンの施設の場合でも、オープンに向けて計画的にスタッフを募集していればそこまで急募する必要はないです。
なので、給与などの条件が悪い、仕事内容が魅力的ではない、など、何かしらの理由で人が集まらないような施設と考えられます。
看護師の求人募集は年間を通してかなりの数でていて、中途採用に積極的な施設も多いので数十人単位で求人を出す場合も多いです。
ただ、そのなかでも緊急募集で大量の人手を求めている施設には注意が必要です。
探せば良い職場はたくさんあるので、あえてリスクを冒すこともないですが、どうしても応募したい施設であれば、緊急募集の理由を確認するのはもちろん、入職する前に職場の環境を十分にリサーチしてくださいね。
看護師のリスクが高い転職6)仕事を辞めてから転職活動をする
今の職場で働きながら転職活動をするか、仕事を辞めてからするか、迷う人もいますよね。
特別な事情がない限り転職活動は仕事を辞めずに行うとメリットが多いです。
仕事を辞めてから次の職場を探す場合、時間があるので転職活動に専念できるメリットはありますが、希望の条件にマッチする職場がなかなか見つからなかったり、時期によっては求人が少なかったり、思うように転職活動が進まないこともあります。
そうなると、時間だけが過ぎてしまって、絶対に焦りがでてきます。
「希望条件に合う職場が見つからない」
「本当に転職できるのかな」
「少し希望の条件を妥協した方が良いのかな」
など、転職の軸がぶれてしまったり、正しい判断ができなくなるリスクがあります。
また、仕事を辞めていることで収入もないのでお金の面でも不安がつのります。
経済的な不安は、生活の不安に直結して、さらに焦りも膨らみます。
そんな心理状態で焦って転職先を決めてしまうと、リサーチがおろそかになったり、正しい判断ができなくて、入職してから「こんな職場とは思わなかった」「給与が下がってしまった」など、転職したことを後悔する可能性もあります。
満足のいく転職をするためにも、焦りは禁物です。
なので、少し負担はありますが、仕事をしながら転職活動をする方が、気持ちやお金の面でもメリットが大きいです。
時間のない中で大変ですが、しっかり求人を探していくと、希望に合う職場は必ず見つかります。
そして、求人を出すタイミングは施設によって変わってくるので、ある程度時間をかけて求人を探していくこともポイントです。
気になる施設のホームページをこまめにチェックしたり、転職サイトで希望条件を指定して求人を探したり、都道府県看護協会の求人サイトを活用して、できるだけ多くの選択肢の中から転職先を選んでいくことが大切ですね。
そして、事情があって仕事を辞めてから転職活動をする場合は、まずは焦らずじっくり腰を据えて求人探しをすることが必要です。
仕事の時間がない分、求人探しや面接の準備も十分にできますし、面接の予定も調整しやすいので、並行して複数の求人に応募することができます。
転職活動に専念できる環境を最大限活かして希望の条件に合う職場を選んでみてください。
看護師のリスクが高い転職【まとめ】
看護師は比較的転職に関するハードルが低い職業です。
業界全体が人手不足ですし、専門職なので需要が常にあります。
今回お話ししたリスクの高い転職をできるだけ避けながら、じっくり求人をリサーチして、自分の経験やスキルを正当に評価してくれる職場を探してみてください。
あなたの転職が満足いくものになるように願っています。
執筆者情報:ナース裕美の転職研究所
ナース裕美(緒方裕美)
看護師。大学病院にて眼科、ICUに11年勤務。現在はキャリアアドバイザーとして活動中。
保有資格は「看護師免許」、「職業紹介責任者(番号:001-220124001-05302)」
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